内田洋行は、認知科学の視点から子どもたちが問題を解けなかった思考過程を重視して学びのつまずきの根本的な原因を探り、その結果を一人ひとりの子どもたちの指導に役立てるためのアセスメントツール「たつじんテスト」を、教育用コンテンツ配信サービス「EduMall(エデュモール)」で6月1日より配信する。
慶應義塾大学環境情報学部の今井むつみ教授と広島県教育委員会は、「広島県学びの基盤に関する調査」(平成30年)の一環として「たつじんテスト」を共同開発した。
小学校の教育現場では、算数を学習する中で四則演算の単純な問題では正しい答えを回答できるものの、文章問題になると計算が解けなくなる児童に対して、従来のテストでは「計算ができない」という評価がされてきた。しかし実際は、前提となる「読解力」や「知識」に原因があり、そのような原因を理解し、指導につなげることが重要視されている。特に小学校低学年の早い段階で支援することで、学習への苦手意識の解消に効果が期待できる。
内田洋行では、長年にわたって学校現場や特別支援教育に関する教材の開発を進め、2013年から今井教授とともに実際の学びの中で知見を生かせるための活動を支援してきた。多くの学校に学びのつまずきを知るアセスメントを紹介するために、教育用コンテンツ配信サービス「EduMall」を使って提供を開始する。
「たつじんテスト」は、つまずきの部分を具体的に理解するための解説動画や、教員がアセスメントテストを実施しやすい進め方・解答類型、集計表などをラインナップした、実際の教育現場での指導場面で使用しやすいパッケージ。
「たつじんテスト」EduMall版は、以下の内容で学習のつまずきの要因である7つの原因と5つのカテゴリの中で、どの分野につまずきが生じているのかを明らかにする。
1. 「たつじんテスト」(ことばのたつじん60問、かず・かんがえるたつじん60問)
「ことばのたつじん」と「かず・かんがえるたつじん」のテーマで全120問のアセスメントテスト問題を収載。児童のつまずきの解答工程を確認する必要があるため「EduMall」から紙で印刷し、配布してテストを実施する。
2. 「たつじんテスト」の全体概要から個々のテストの解説まで全10動画を収録
今井教授の紹介動画による解説を収録。テスト概念、ことばのたつじん、かず・かんがえるたつじんの各テスト解説、広島県福山市での実施効果について説明する。
3. 「たつじんテスト」実施要領(PDF形式)
対象学年、実施のタイミング、テスト実施時間、実施回数をまとめた実施要領を収載。
4. 採点支援ツール各種
解答類型
ことばのたつじんには、正答ではないが似た言葉のカテゴリや一概に間違いではない回答について、教員が採点をしやすい「解答類型」を用意している。
「たつじんテスト」解説
今井教授の紹介動画による各問題の考え方、解答例からのつまずきの概要を詳細に解説。
子どもたちのつまずきの分析を支援する「集計表」(Excel形式)
各問題の採点結果を集計表に入力を行うことで「たつじんテスト」の各細分化されたカテゴリごとの採点値が記録され、子どものつまずきがどのカテゴリに属し、どの重さに該当するかなどを数値で明らかにすることが可能。また学年単位で、どのカテゴリにつまずきの傾向が見えるかなどがわかる。
「たつじんテスト」の概要は以下の通り。
- 対象:小学校
- 価格:学校ライセンス 年間1校 1万3200円
- 対応OS:Windows/ChromeOS/iPadOS
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