noteは、地域・教育魅力化プラットフォームが取り組む高校生向けの地域留学事業「地域みらい留学」と連携を始めたことを、4月24日に発表した。「地域みらい留学」を受け入れる公立高校と、地域・教育魅力化プラットフォームに対し、法人向け高機能プラン「note pro」の無償提供と運用サポート、受入校向け「note」活用勉強会の開催を提供することで情報発信をサポートする。またnoteと地域みらい留学校は、生徒たちの学びをより充実させるためにメンバーシップの参加費を活用した新しい経済圏づくりにも挑戦する。これにより、生徒の学びを誰でも簡単にサブスクリプション形式で応援できるようになる。
「地域みらい留学」は居住する都道府県の枠を越えて、生徒が全国各地の魅力ある公立高校に進学または単年留学できる仕組みで、参加する生徒は都会にはない独自のカリキュラムやその地域ならではの体験に挑戦できる。
「地域みらい留学」の特徴
- 地域の特色を生かした探究学習やキャリア教育
- 豊かな自然に囲まれた生活
- 地域住民との交流や出会い
- 少人数教育
- 寮での自立した生活
高校への進学率が約99%に達した今、生徒の多様な実情やニーズに応えるため、さまざまな進学の選択肢が広がっている。その選択肢のひとつとして注目されているのが「地域みらい留学」で、2023年4月末の時点で全国34道府県110校が留学先として登録されている。
「地域みらい留学」の受入校がおもに位置する非大都市圏では、豊かな自然や独自の文化がある一方で、人口減少や高齢化、経済的な落ち込みに直面している。こうした問題を解決するため、一部の市町村とその地元の公立高校では「高校魅力化」プロジェクトに共同で取り組んでいる。同プロジェクトは、地域の特色を生かした教育や学校独自のカリキュラムを展開することで高校の魅力を高めるもの。地域留学の促進につながるほか、将来的な関係人口の創出や地域の活性化に寄与する効果が期待されている。
全国に先がけて高校魅力化に取り組んできた隠岐島前高校の事例によると、高校周辺の3町村(西ノ島町、海士町、知夫村)の総人口は、高校魅力化をしなかった場合と比較して5%以上増加した。さらに、地域の消費額や歳入も増加したとの推計結果(三菱UFJリサーチ&コンサルティング「魅力ある高校づくり(高校魅力化)の社会・経済効果に関する分析結果を公表」2019年11月発表)も得られており、高校魅力化が周辺地域に対してポジティブな影響を与えることがわかっている。
しかし日本財団が行った調査(日本財団「地方留学の推進に関する調査研究」2018年11月)によると、地域留学を知っている生徒は約4人に1人で、さらにその親は約8人に1人にとどまっており、まだ地域留学の魅力が十分には伝わりきっていないことがわかった。地域・教育魅力化プラットフォームは地域留学を選んだ生徒たちの経験や魅力をより多くの人に伝える必要があると考え、今回情報発信のサポートを目的にnoteと連携した。受入校が「note」上でオウンドメディアを開設することで、生徒たちの学びや生活、卒業後の進路などの情報に誰もがアクセスできるようになる。
同プロジェクトの具体的な取り組みは以下の通り。
1.「地域みらい留学」の受入校と地域・教育魅力化プラットフォームへの「note pro」の無償提供と運用サポート
希望する受入校と地域・教育魅力化プラットフォームに、noteが月額8万8000円で提供している法人向け高機能プラン「note pro」を無償提供する。「note」アカウントを開設した学校は、各学校の特色ある学びや生徒が探究学習に取り組む様子などを発信できる。
「note」アカウントを開設した学校一覧(2023年2月末時点、順不同)
北宇和高等学校(愛媛県)、隠岐高等学校(島根県)、阿賀黎明高等学校(新潟県)、四万十高等学校(高知県)、奥尻高等学校(北海道)、男鹿海洋高等学校(秋田県)、昴学園高等学校(三重県)、南三陸高等学校(宮城県)、白糠高等学校(北海道)、小国高等学校(山形県)。
地域・教育魅力化プラットフォームに対しては、各学校と留学している生徒が発信する「note」をまとめた「地域みらい留学」の様子が伝わるメディアづくりのサポートも実施する予定。
2.「地域みらい留学」受入校への「note」活用勉強会の開催
「note」で公共・教育分野を担当するディレクターが「note」の基本的な使い方から記事作成のコツなどをレクチャーする。
3.「note」のメンバーシップを活用した新たな経済圏づくり
同取り組みでは、生徒たちの学びをより充実させるためにメンバーシップの参加費を活用する。モデル校は「地域みらい留学」の受入校の中から募集し、決定する予定。
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