旺文社は、全国の国公私立高等学校5068校を対象に実施した、高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態に関するアンケート調査の結果を、2月28日に発表した。同調査は、2022年12月上旬~2023年1月上旬の期間に行われ、786校から回答を得ている。
調査対象となる高等学校に、導入・使用されているICT機器について尋ねたところ(複数回答)、「生徒用のパソコン端末(タブレット型)」が68.5%、「生徒用のパソコン端末(ノート型)」が36.9%と、モバイル使用可能な生徒用ICT端末の回答が、いずれも前年調査に引き続き高い割合となった。両者回答を合わせて重複を除いたモバイルICT端末の導入率合計は、88.6%に達している。
生徒用モバイルICT端末を導入している高等学校に、配備状況の内訳を尋ねた質問では、「生徒1人1台配備」が76.4%を占めており、GIGAスクール構想が掲げる「1人1台端末」の整備が、直近3年間で急激に進んだことが明らかになった。
生徒用モバイルICT端末の活用における課題を尋ねたところ(複数回答)、最多は「教員の活用スキルの引き上げ」(84.3%)となったほか、「ネットワーク環境の整備」が48.9%に達している。また、ネットワーク自体にはつながるものの生徒が一斉に通信利用できないといった、ネットワークの質を課題として挙げる回答もみられる。
高等学校におけるネットワーク環境の整備状況を尋ねた質問では、「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」(38.5%)と、「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」(43.4%)の割合がさらに増加している。
ICTの必要性を感じるポイントとしては(複数回答)、「校務負担の軽減」(75.7%)、「教材のペーパーレス化」(69.4%)が前年に引き続き高い割合となり、ICT活用による校務DXへの期待がうかがえる。
生徒用モバイルICT端末を導入している高等学校に、端末の活用状況を尋ねたところ、「十分活用できている」が12.7%、「まあまあ活用できている」が62.1%と、7割超が生徒用モバイルICT端末をある程度活用できていることがわかった。
なお、2021年12月に小・中・高等学校での稼働が開始された、文部科学省CBTシステム(MEXCBT)の、高等学校での利用は4.5%に留まっている。
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