MM総研は、全国すべての自治体の教育委員会、および国公立小中学校の教員を対象に実施した、GIGAスクール構想実現に向けたICT環境(GIGAスクール環境)の利用状況に関する調査結果を、1月23日に発表した。同調査は、2022年12月に行われ、1144の自治体と1200名の教員から回答を得ている。
自治体に、GIGAスクール構想実現の基盤となる児童生徒用の端末は、十分な性能を備えているかを尋ねたところ、「十分備えている」と「備えている」を合わせた割合が9割超に達した。
授業における1人1台端末の利用頻度について尋ねた質問では、「毎日利用している」という回答が75%と、2021年10月の調査結果(26%)と比較して大幅に増加している。
GIGAスクール端末の利用用途の数を尋ねたところ、1自治体あたりの利用用途数が平均3.8と、2021年10月の調査結果(平均1.7)から増加しており、端末利用の幅も広がっていることがわかった。具体的な利用用途としては、「学習支援ソフトやアプリの利用」「調べ学習」「考えをまとめて発表」が上位を占めたほか、「教員と児童生徒のやりとり」「児童生徒同士のやりとり」といったコラボレーション機能を利用する自治体も増えている。
小中学校の教員に聞いた、1人1台端末の利用頻度とコラボレーション機能の利用率を組み合わせて分析した結果をみると、端末を利用できている教員ほどコラボレーション機能の利用割合が高い結果となった。とりわけ、「端末をほとんど利用できていない教員」と「十分に端末を利用できている教員」では利用率に2倍以上の開きがある。
GIGAスクール環境の課題を尋ねた質問では、自治体(教育委員会)と教員ともに「教員のICTスキル」が最多となったものの、2位以下は自治体と教員の回答が異なり、認識の違いが明らかになっている。
「教員のICTスキル」の向上に向けた対応策の有無を尋ねたところ、自治体では「対応策をとれている」という回答が95%を占めたのに対して、教員では40%に留まったことから、現状の教員ICTスキルアップ施策がうまく機能していないことがうかがえる。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア