paizaは、同社の運営するITエンジニア向け転職・就職・学習プラットフォーム「paiza」の登録者であるITエンジニア、プログラミング学習者を対象に実施した、「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」の結果を12月20日に発表した。
社会人における学習で安定的に人気が高い言語はPython、Java、PHP、JavaScriptとなっている。Pythonはデータサイエンス、数値計算、機械学習系のライブラリが充実しており、AI、統計処理、研究などでよく使われる。「読みやすさ・わかりやすさ」を重視しているため、初学者でも学びやすく、社会人、学生ともに人気がある。Java、PHP、JavaScriptはいずれも企業の開発現場で広く用いられており、求人数が多い言語といえる。
学生の学習でも、社会人同様PythonとJavaは人気が高いものの、学生ではC++やC、C#が社会人よりも人気となった。学校の授業で学習するユーザーが増えていることや(C言語)、競技プログラミング(C++)、ゲーム開発(C#)などで利用するために学んでいると考えられる。
転職で企業からニーズの高いプログラミング言語としては、JavaScript、Java、PHP、Pythonが上位となり、社会人の学習における人気言語と実務で企業のニーズが高い言語が一致していることが明らかになった。また、2020年から2022年にかけて、とりわけ企業ニーズが高まっているのがTypeScript、Kotlin、Go言語となっている。TypeScriptは、もともと企業ニーズが高いJavaScriptの上位互換言語で、JavaScriptの知識があればそのまま利用でき、JavaScriptの従来機能および追加機能(省略も可能な静的型付けやクラスベースオブジェクト指向など)が使えることから、JavaScriptで大規模アプリケーション開発するうえでの欠点を補う言語として、ニーズが高まっていると考えられる。
転職における、プログラミング言語別の平均年収をみると、学習人気、企業ニーズともに伸びている比較的新しい言語Scala、TypeScript、Go言語が上位を占めた。とりわけScalaは、2020年と比較して平均年収が約72万円もアップしている。「paiza転職」の登録者でこれら3つの言語の基礎知識を持つ人はごく少数で、Scalaで全体の1.0%、TypeScriptで2.6%、Go言語で2.4%に留まっており、希少なスキルを持つ人材を獲得するために企業が年収を上げているとみられる。
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