内田洋行は、埼玉県鴻巣市とPBL型学習と21世紀スキル育成のための教育推進に関する事業連携を、11月28日に締結した。また、そのための研究推進の場として鴻巣市立鴻巣中央小学校に、最先端のICT機器を実装した学習空間「のすっ子未来教室」を開設する。
今回の連携協定は、鴻巣市立鴻巣中央小学校にPBLおよび21世紀型スキル育成を推進するための教育環境整備を目的としており、2年間の実証研究を行う。また、内田洋行はそれを実現するために、学習空間「のすっ子未来教室」の構築、ICT利活用教育の指導および効果測定の実施、政府・自治体向けた啓発・提言活動の実施、学校でのPBLや21世紀型スキル育成教育カリキュラムの開発支援・協力および研究発表会、講演会、教員研修などの実施への協力を行っていく。
「のすっ子未来教室」は、発表のステージの場を意識してアーチ型のカーペットが広がり、デジタルでの発表・創作活動を重視した実験教室として、ICTを利活用しやすい空間デザインと可動性を重視した机や椅子を採用する。グループワークの教育場面に応じて即興的にレイアウトを動かすなど、躍動感のある授業を可能にしている。
最新のICT機器を自在に実装できる空間構築ユニット「SmartInfill(スマートインフィル)」と大型スクリーンを設置し、遠隔地と等身大サイズでダイナミックな授業が可能な「RealSizePresenter(リアルサイズプレゼンター)」を使用することによって、児童生徒が制作するデジタル作品を大画面に効果的に投影し、もっと発表したい、もっと伝えたいという意欲を刺激する。また、児童生徒の端末から大画面スクリーンに簡単に画面投影できる「wiviaR+(ワイビア)」によって、児童生徒同士の作品やまとめ方法を比較して、グループディスカッションを行える教室空間としている。
さらに、積極的な創作を支援すべく、高性能パソコンとモニター21セットについて児童2人あたり1台を使えるよう配備。デジタルコンテンツ動画制作、プログラミング、モデリングやシミュレーションなどを取り入れることで、3Dプリンターでのものづくりやデータを活用した学習など、協働した学びを作品化し発信を行う環境とした。また、外部のゲストティーチャーをオンラインで招いた授業も想定している。
ほかにも、「のすっ子未来教室」の環境を活用して、教職員に向けた授業デザイン、指導案や教材の作成などを支援する教員研修や、インテルが制作したIntel Teach Program教員研修およびSkills for Innovationカリキュラムの研修も行う。なお、「のすっ子未来教室」はデル・テクノロジーズの支援も得ている。
鴻巣中央小学校では、各教科の学習とPBL型授業にて「のすっ子未来教室」を用いる計画であり、「学びの社会化(学習成果を公表する)」を目指して「のすっ子未来教室」を活用して外に向けたアウトプットメディアを発表するなど、鴻巣市の地域社会へも積極的に情報発信も検討する。
教科での活用例は以下の通り。
- 総合的な学習の時間:ものづくり、動画づくり、温度計・モーターの制御などへの活用
- 理科:電気の実験、方位磁針の作成、プログラミング
- 図工:3Dプリンター等でマイキャラクター作り、アイデアグッズ制作
- 家庭科:アイデアグッズ制作
- 国語:登場人物を作り動かす、音読劇制作
- 音楽:学習用端末で音楽、楽曲、動画づくり、学級歌作り、楽譜づくり
- 算数:関数のプログラミングへの応用
また「総合的な学習の時間」を核としてPBL型授業を展開し、2年後には教科横断的な学習での活用を目標としている。
各学年で考える授業プランは以下の通り。
- 3年生:すてき発見!わたしたちの町 こうのす ~私たちの町をPRしよう~写真やインタビューをまとめる
- 4年生:みんなが幸せに生きるために ~多様な社会で生きること~点字を気軽に打てる用具の開発
- 5年生:災害が起きた時、どうする?3Dプリンタで食器作りにチャレンジ
- 6年生:「未来を変えるのはわたしたち」企業連携やアイテム開発
これらを以下のような授業の流れでPBLを行い、まとめ・表現活動の充実を図る。
- テーマと出会う
- テーマについて知る
- テーマ設定
- 調べる・考える・創る・実践する・ふりかえるを繰り返して解決する
- まとめる
- 伝える
- 関連リンク
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