パナソニック コネクトと大阪公立大学は、すべての子どもたちの潜在的なSOSを早期にキャッチし適切な支援につなげる「YOSS クラウドサービス」の提供を、12月1日から全国の小中学校・高校など教育現場を対象に開始する。
「YOSS(Yamano Osaka Screening System)」は、子どもの隠れたSOSに気付き、潜在的に支援が必要な子どもや家庭への適切な支援を行うことを目的としたもの。2018年に大阪公立大学の山野則子教授らが開発しており、児童・生徒1人ひとりの欠席日数・行動・身だしなみ・家庭環境といった情報を教員がスクリーニングシートに点数式で記入し、客観的なデータに基づいて支援を決定することで、早期発見・支援につなげる。
また、チームで対応の方針を決めることができるので、教員が1人で抱え込むことがなく、身近な地域資源を活用することで子どもたちが気軽に参加可能となっているため、地域は必要な子どもに支援を届けることができ、連携のさらなる活性化が可能になる。
すでに33自治体211校に導入されており、不登校の児童生徒数が3分の1に減少するとともに、遅刻早退などが7割改善、諸費滞納が8割改善した自治体もみられた。学校側にとっても、支援内容の決定スピードが10倍近くも向上し、教員の負担が軽減される傾向がみられ、教育現場における諸問題の改善効果が表れている。
今回、提供を開始する「YOSS クラウドサービス」は、パナソニック コネクトのサービス開発のノウハウを活かして、「YOSS」の機能をクラウド上にシステム構築したものとなる。支援が必要な児童生徒を抽出して自動判定された支援の方向性を提案することで、適切な支援につなげる。また、データが自動的にクラウドに蓄積されるため、大阪公立大学はそのデータを活用して深化させた研究結果を教育現場に提供でき、児童生徒のさらなる適切な支援を実現する。
クラウドでのサービス提供なので、教員やスクールソーシャルワーカー(SSW)、スクールカウンセラー(SC)などとの情報共有が容易になる。客観的なデータに基づいてチームで議論することで、教員が1人で抱え込んでしまうことを防げる。さらに、ベテラン教員の有する知見などを継承することによって、チームの強化にもつながる。
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