ジョリーグッドは、福井県内の公立学校10校以上に、同社の医療福祉向けVRプラットフォーム「JOLLYGOOD+(ジョリーグッドプラス)」が教材として導入されたことを、9月20日に発表した。自治体におけるVR導入は、三重県、大阪府に続いて3例目となる。
この取り組みでは、発達障がいのある児童生徒向けの「ソーシャルスキルトレーニング(SST)」用ICT機器として導入され、VR教材によるリアルかつ体験的な学習を通して、言葉や紙面だけでは具体的なイメージを捉えにくい児童生徒の社会性やコミュニケーション力の向上を図る。
福井県では、特定の学校でしか通級を受けられない環境にするのではなく、通級指導担当教員が学校を巡回し、発達障がいなどにより支援や配慮を必要とする児童生徒が在籍する学校で通級による指導が受けられる環境を整備している。今回のVR教材導入は、その中でも積極的に推進している「福井県DX推進プログラム」の一環となる。
「ソーシャルスキルトレーニング」とは、社会生活を送る上で必要な対人関係や自己管理能力などを養い、身に付ける訓練。
通級による指導とは、大部分の授業を通常の学級で受けながら、一部障がいに応じた特別な指導を特別な場(通級指導教室)で受ける指導形態。
文部科学省が行った、通級による指導実施状況調査によると、通級による指導を受ける児童生徒数は2018年度から2019年度にかけて約3万人増加しているが、高校では通級による指導が必要な生徒のうち6人に1人が通級指導担当教員を確保できず、通級による指導を受けられなかったことがわかった。高等教育課程における通級指導担当教員の人員確保が大きな課題となっている中、限られた教員数で質の高い支援をどのように提供するかも課題となっている。
「JOLLYGOOD+」には、VRによって学校や社会での集団生活をリアルに体験することで、相手に適切な反応をするための言語的、非言語的な対人行動を訓練することができる次世代のSSTコンテンツが180以上ある。専門医監修のもと、プロの役者と高精度VR開発チームが制作したVRコンテンツにより、利用者の成長や年齢に合わせた計画的なトレーニングを専門スタッフでなくても実施することができる。
ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションとVR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発する企業。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスをさまざまな研究機関や企業とともに展開している。
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