小山工業高等専門学校 電気電子創造工学科 干川尚人准教授、物質工学科 高屋朋彰准教授と、Webアプリケーションの開発などを行うMOOBON(ムーボン)は、教育機関向けに学生(生徒)の出席状況の自動登録と情報共有を行いDXを達成するアプリケーションサービス「OKPASS(オーケーパス)」を開発したことを、9月2日に発表した。
「OKPASS」を利用する生徒は、教室に設置された受付端末に二次元バーコードを読み込ませることで出席を報告できるほか、クラウドサービスサイトのユーザーメニュー(マイページ)から欠席や遅刻などのメッセージを学校へ連絡することが可能。また、これらの情報はリアルタイムにDX出席簿に反映され、学校の教職員間で共有できる。
同サービスによって教育機関における毎日の出欠席記録業務を完全自動化し、教職員の業務を大幅に削減できるともに、学生(生徒)の登校中の事故・事件などの早期発見や日々蓄積したデータの分析によって学生(生徒)への出席指導・メンタルヘルスケアの活用が期待できる。
小山高専とMOOBONは、同校の学生を対象に2022年4月から実証実験を行っており、学生や保護者観点の利便性、教育現場における運用性などを検証し、その結果をフィードバックして2022年度内にサービスの商用化を目指している。なお、本研究開発の取り組みは、9月7日に開催される「第70回年次大会・工学教育研究講演会」で発表される。
「OKPASS」の特徴は以下の通り。
- 毎日の欠席連絡受付業務と出欠席記録業務を完全自動化:毎日の教職員の業務を大幅削減、ソフトウェアによる自動処理でヒューマンエラーも抑制。
- クラウド管理のDX出席簿ですべての教職員がリアルタイムに情報共有:不在者の最新情報を常に共有、無断欠席者との区別も容易に。
- 保護者へのお知らせ機能:保護者の携帯電話へSMS通知で情報共有できる。
- Microsoft 365アカウントとのシングルサインオン連携機能:Microsoft 365サービスを導入している教育機関ならば、新たなID・パスワードの管理は不要。2クリックでサービスサイトへアクセスできる。
学生(生徒)や保護者からの欠席などの連絡を受け付ける方法として、多くの教育機関では電話やメールを利用しているが、毎朝いつ来るかわからない連絡を待つ業務は教職員の負担となっている。さらに、学生(生徒)が学校へ事前に連絡をしない、学校が問い合わせても連絡が取れないケースの対応も課題となっていた。
これらの課題解決について、学生(生徒)の出席状態の「デジタルデータへの変換方法」と「教職員間における情報の集約・管理」がボトルネックであると考え、出席が必要な現場で所在を確認できるセンサーシステム(二次元バーコードリーダー)と、これに連動する「OKPASS」を開発した。
「OKPASS」では、クラウド基盤上にシステムアプリケーションが動作し、教室に設置されたバーコードリーダー、またはオンラインのサービスサイトから学生(生徒)本人が登録操作をすることでDX出席簿に自動記録される。
例えば、遅刻した学生(生徒)がいても、教職員はわざわざ教室へ行って確認せずともクラウド上に記録されたデータを確認することでリアルタイムに状況を把握できる。また、学生(生徒)の登校状況が不安な保護者へショートメッセージサービスで情報共有できる仕組みも有している。
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