新しい武器が増えると……
私は昔から「ドラゴンクエスト」などのロールプレイングゲームが大好きでした。醍醐味は、仲間や武器を集めながら、旅を進めること。特に、新しい武器が手に入ったときは、ワクワクしてすぐに使ってみたくなりました。
今回頂いた質問も、新しい武器を手にしたときの気持ちと近いのかもしれません。
本年度、授業でデジタル教科書を活用しようと思っています。しかし、どう活用すればいいのか悩んでいます。よい活用の方法を教えてください。
同様の悩みをたくさんお聞きしています。デジタル教科書は、私たち、そして児童生徒にとっての新しい武器となるはずです。今回は、デジタル教科書の活用について考えていきましょう。
そもそもデジタル教科書とは
デジタル教科書と一言で言っても、実は次の2種類のものがあります。ご存じでしょうか。
(1)指導者用デジタル教科書
教員用です。電子黒板やプロジェクターなどと一緒に使用することが多く、教員による問題提示や説明などの場面で活用している授業をよく拝見します。
(2)学習者用デジタル教科書
児童生徒用で、子どもが端末を使って活用することが前提となっています。授業中だけでなく、家庭学習でも活用可能です。
子どもの理解が進み、教員の業務改善につながる
まずは、指導者用デジタル教科書の活用のメリットについて考えてみます。教科書の問題を提示する場面で、従来は次のように授業を進めていたのではないでしょうか。
- 教員が黒板に問題を書く。写真などは、印刷したものを黒板に貼る。
この場面で指導者用デジタル教科書を活用すると次のように変わります。
- 電子黒板に投影した指導者用デジタル教科書の該当箇所を拡大する。
指導者用デジタル教科書を活用すると、動画や音声の再生も容易にできます。視覚化や音声化によって、子どもの理解の深まり、広がりなどの効果も生まれます。実はそれだけでなく、黒板に書く、写真を印刷するなどの教員の業務も変わります。特に、今まで紙で印刷していたものを瞬時に表示したり、グラフや図形などをすぐにきれいに示したりできることは大きなメリットです。授業準備にかける時間も減り、指導者用デジタル教科書の活用が教員の業務改善にもつながります。