ベネッセ教育総合研究所は、日本、中国、インドネシア、およびフィンランドの都市圏にて、幼児期の子どもを持つ母親に対して実施した「幼児期の家庭教育国際調査」の結果を3月8日に発表した。
「幼児期の家庭教育国際調査」は、2017年(平成29年)に母親の子育て意識・実態や、小学校入学に向けて幼児期に育みたい「学びに向かう力」「文字・数・思想」「生活習慣」の発達状況と保護者の関わりについて、国による違いや共通点を明らかにすることを目的に実施された。
調査の結果、「学びに向かう力」は社会文化的な環境が異なるにもかかわらず、4か国で共通の「好奇心」「協調性」「自己主張」「自己抑制」「がんばる力」の5領域となっている。
いずれの国でも、「学びに向かう力」のうち「好奇心」の得点がもっとも高く、「がんばる力」「自己抑制」は低い傾向にあった。
子育ての中で力を入れていることを尋ねた質問では、「他者への思いやりをもつこと」「自分の気持ちや考えを人に伝えること」「興味や関心を広げること」といった「学びに向かう力」に関連する項目は、8~9割が「とても力を入れている」「まあ力を入れている」と回答しており、「自分でできることは自分ですること」「基本的な生活習慣を身につけること」「社会のマナーやルールを身につけること」といった社会習慣の自立に必要な能力は、すべての国で9割以上が「とても力を入れている」「まあ力を入れている」と回答している。
その中で、日本の母親は他の国と比較して、「芸術的な才能を伸ばすこと(音楽や絵画など)」や「外国語を学ぶこと」を重視する比率が低い傾向にある。
「寄り添い型養育態度」(「子どもがやりたいことを尊重し、支援している」「子どもが自分でやろうとしているとき、手を出さずに最後までやらせようとしている」など、子どもの意思や感情を尊重する保護者のかかわり)に関する質問では、日本・中国・フィンランドが「好奇心」「がんばる力」の発達と、インドネシアでは「好奇心」の発達と関連が見られており、母親が「寄り添い型」で子どもにかかわるほど子どもは新しいことに好奇心がもてる、物事をあきらめずに挑戦できるといえる。
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・ベネッセ教育総合研究所
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