旺文社は、全国の国公私立高等学校を対象に実施した、ICT機器・サービスの導入状況および活用の実態に関するアンケート調査の結果を、2月25日に発表した。同調査は、2021年12月上旬~2022年1月上旬の期間に行われ、805校から回答を得ている。
調査結果によれば、全国の高等学校で導入・使用されているICT機器としては、「生徒用のPC端末(タブレット型)」(69.8%)が前年の調査からさらに増え、トップの「大型提示装置(電子黒板・プロジェクターなど)」(86.5%)に迫る勢いとなった。「生徒用のPC端末(ノート型)」(38.8%)の割合も前年から増加し、「タブレット型」と「ノート型」を合わせたモバイルICT端末の導入率(重複分は除く)は、85.8%に達している。そのほか、「生徒の私物端末(スマートフォン・PC等)」は38.5%となっており、私物端末を教育利用する「BYOD」の取り組みも広がっている。
ネットワーク環境の整備状況を尋ねたところ、「校内のどこでも無線でのネットワークを使用できる」(37.5%)と「校内の通常教室で無線でのネットワークを使用できる」(39.1%)がさらに増えた。
校内における生徒の私物端末(スマートフォンなど)の使用制限状況について尋ねた質問では、「校内で自由に使用できる」(17.0%)、「学習などの目的であれば校内で自由に使用できる」(28.6%)が昨年の調査から微増したものの、大きな傾向変化はみられない。
生徒用モバイルICT端末の導入校に対して、配備状況の内訳を尋ねたところ、「生徒1人1台配備」は50.1%に達し、調査を開始した2017年度以来、はじめて半数超を占めた。
今後、端末の導入予定があると答えた高等学校では、82.0%が「生徒1人1台配備」を見込んでいる。
教員が利用するICT端末および教務支援サービスについて尋ねた質問では、「1人1台専用端末を利用できる」が8割超を占めたほか、「個人の判断でどのようなサービスでも利用できる」(19.7%)という回答を学校種別ごとにみると、国公立高等学校が12.2%、私立高等学校が32.8%と差が生じた。
ICTの必要性を感じるポイントとしては(複数回答)、「校務負担の軽減」(82.0%)、「教材のペーパーレス化」(70.7%)が前年の調査から大幅に増えている。
実際に導入した生徒用モバイルICT端末の活用状況について尋ねたところ、「活用できている」という回答は端末導入校の7割超を占めた。
活用における課題について尋ねた質問(複数回答)では、「教員の活用スキルの引き上げ」(85.7%)が最多となっている。その他の課題としては、「生徒の情報モラルの向上」(67.8%)が前年調査より10ポイント以上増加した。
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