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不登校や退学の現状と、周囲ができるサポート

小中学校における不登校の現状、教師・学校・保護者はどう支援すべきか

不登校や退学の現状と、周囲ができるサポート 第1回

 さまざまな背景・理由により「不登校になった」「不登校になってしまった」小学生・中学生は、年々増加しています。本人が望まない不登校を減らすための取り組みも大事かもしれませんが、私は不登校児童生徒数が20万人近くに達した今、不登校になっても支障がない学校・教育・社会システムが必要という立場を取っています。本記事は、担当されているクラスに不登校の児童生徒がおり、どう対応すればよいのかと悩む教員・関係者の方々や、お子さまが小学校・中学校で不登校になり、悩んでいる保護者の方に向けたものとなります。また当事者にとっても、一度客観的に不登校を数字で見てみることで「不登校って普通だったんだな」という風に捉えられるようになり、過去を引きずらないようになっていただければ幸いです。筆者も小学校・中学校時代に不登校を経験しており、その経験をきっかけとして、不登校や中退の研究を行っています。

中学校では1クラス1人が当たり前? 最新データから見る小中学校における不登校の現状

 そもそも、不登校とはどのように定義されているのでしょうか? 文部科学省によれば、次の通り定義されています。

 長期欠席者(年度間に30日以上登校しなかった児童生徒)のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし、病気や経済的理由、新型コロナウイルスの感染回避による者を除く)

 不登校の定義上のポイントとしては、以下の2点になります。

  1. 年度間に30日以上の欠席
  2. 病気や経済的理由、新型コロナウイルス感染回避によるものではないこと

 なお、2.の新型コロナウイルスに関する表記は、令和2年度の調査で初めて記載されています。

 実際に、文部科学省が毎年公表している統計データから、小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移を見てみます。

図1:小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図1:小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図2:(1000人あたり)小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図2:(1000人あたり)小学校・中学校における不登校児童生徒数の推移
図3:令和2年度学年別不登校児童生徒数
図3:令和2年度学年別不登校児童生徒数

 図より、以下3点のことがわかります。

  1. 不登校の児童生徒数は30年にわたり増加傾向で、約20万人に。特に直近5年間で急増
  2. 小学校で約100人に1人、中学校で約25人に1人が不登校
  3. 中1ギャップの存在(小学6年生から中学1年生の間で不登校の児童生徒数が約1.8倍)

 不登校の児童生徒は増加の一途をたどり、令和2年度には、19万6127人となっています。小学校は約100人に1人ということから、あまり多くないという印象を抱かれるかもしれませんが、中学校では約25人に1人が不登校であり、1クラスにつき1人不登校の生徒がいる計算となります。つまり、何も特別なことではないのです。

 この客観的な数字を知っているだけでも「なぜ私のクラスに?」「なぜ私の子どもだけが?」そして最も悩み・苦しんでいる当事者である児童生徒の「なぜ私だけが?」といった考えが少し和らぐのではないでしょうか。見方を少し変えれば、過去に不登校を経験し、今は社会人として生活している方もたくさんいらっしゃるということでもあります。

次のページ
教師・学校や保護者は、いかに小中学校の不登校児童生徒を支援すべきか

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この記事の著者

池本 駿(株式会社ジェイック マーケティング開発部)(イケモト シュン)

 2016年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、同大学院にて3年間で2つの修士号(経済学・工学)を取得。研究業績に、大学中退者の就業形態や賃金に着目した論文等。  『池本駿・鈴木秀男. (2019). 高等教育中途退学が就業形態や賃金に与える影響. 日本経営工学会論文誌, 70(1), 1-9.』...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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