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これから社会にでる学生が身につけておきたい「新しい価値を生みだす能力」とは何か

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日本最大のポータル「ヤフー」で求められる“クリエイティブ力”

 基調講演に続いて、ヤフー、CEOブランドコミュニケーション本部 ブランドコミュニケーション部の岡直哉氏が、「自分の強みを活かす働き方」と題し、実際の企業においてクリエイティブな課題解決力がどのように求められているのかについて講演した。

ヤフー株式会社 デザイナー 岡直哉氏
ヤフー株式会社 デザイナー 岡直哉氏

 ヤフーは、1996年に創業した日本最大規模のインターネットポータルサイト事業を展開する企業だ。約7000人の社員で100以上のサービスを展開し、平均月間利用者数は6743万人を数える。

 岡氏は、多摩美術大学デザイン学科を卒業し、2013年に新卒で入社している。入社から3年間は、「ヤフーショッピング」のセールページや、プロモーションページのデザインを担当。その後、ヤフー全体のプロモーションやCM、広告などのアートディレクション、ビジュアルデザイン全体のとりまとめ、推進を担当しているという。

 「私は美大出身だが、高校3年までは、特に美術やデザインに深く触れていたわけではなかった。ヤフーにも、美大出身者は多いが、一般の大学を出てデザイン職についている人も多い」(岡氏)

 職種ごとの社員数は、デザイナーが約400人、エンジニアが約2500人、企画職が約1500人、営業職が約800人となっており、「デザイナー」「エンジニア」といった、直接ものづくりに携わる社員が約半数におよんでいる。社内制度でも、さまざまな試みが行われており、自己申告によって部署異動を希望する「ジョブチェン」や、「副業制度」などが取り入れられている。岡氏自身も、現在の職種に就く際には「ジョブチェン」制度を活用し、休日にはフリーのデザイナーとして副業を行っているという。

「クリエイティブ力」はすべての職種で求められる

 岡氏は、実際の仕事をどのように進めているかを紹介するにあたって、ヤフーとLINEが2021年3月に公開したコンテンツ「スマホ避難シミュレーション」を例に挙げた。これは、東日本大震災から10年の節目として両社が実施した防災や復興支援に関する共同企画「のりこえるチカラ」の一部として制作されたもの。大規模な地震が発生した直後の行動や情報収集、大切な人との安否確認の方法を、ユーザーがスマートフォンで疑似体験しながら学べる内容となっており、期間中にのべ100万人以上が利用した。

ヤフーとLINEの共同制作コンテンツ「スマホ避難シミュレーション」(現在は終了)
ヤフーとLINEの共同制作コンテンツ「スマホ避難シミュレーション」(現在は終了)

 コンテンツ制作の主な流れは「企画」「デザイン制作」「開発・検証」「公開」といったプロセスで進められた。

 「今回の場合、“防災”をテーマに、メンバー全員でゼロから企画を考えた。防災というテーマでのコンテンツは、ユーザーにとってどうしても敷居が高くなりがちなので、スマートフォンで広く楽しまれている“脱出ゲーム”から着想を得て、気軽に参加したくなるものを目指した」(岡氏)

 岡氏は、このコンテンツで主に全体のアートディレクションを担当した。「デザイン制作」「開発・検証」というと、一般的にはデザイナーやエンジニアといった専門職が作業をするイメージがあるが、ヤフーでは基本的に「企画、デザイナー、エンジニアの全員が全工程に関わってものづくりを進めており、すべての職種にクリエイティブ力が求められる」(岡氏)という。

スキルよりも重要な「新しいことに挑戦するマインド」

 岡氏はデザイナー、アートディレクターとして仕事をしていく中で「新しい物を生みだすには、異端児であれ」という、大学の卒業式での学長のスピーチを常に心に留めているという。

 「ここでの“異端児”とは、“変わり者”というよりも“チャレンジャー”という意味に近いと感じている。今までにない新しい価値やクリエイティブを生みだすためには、過去の常識にとらわれない、柔軟な発想力や行動力が必要。それを日々の業務の中で感じている」(岡氏)

 社会のデジタル化が進み、AI技術などが業務の現場にも適用されていく中で、企業では、人間ならではの個性を活かすようなクリエイティブな仕事が増えていくことが見込まれる。そうなると「デザイナーに限らず、あらゆる仕事にクリエイティブな思考が求められるようになるはず」と岡氏は指摘する。

 そうした状況において、社会に出る以前に身につけておくべき能力としては、後から学べるスキルよりも「新しいことに挑戦するマインド」のほうが重要ではないかと岡氏は述べた。

 最後に岡氏は、「受け身ではなく、常に自分自身で、新しいことを探し出して挑戦するマインドは、社会に出てからではなく、学生や幼少期から身につけることができるもの。そうしたクリエイティブなマインドを持った人材は、これからの企業で、自分の強みとなる“個性”を活かして働き、輝いていくことができるのではないだろうか」と話し、学生時代からクリエイティブシンキングを養う重要性を説明した。

 日々変化を遂げる社会で活躍するには、新しい価値を生み出す力が求められている。その力をはぐくむには、社会に出る前に新しいことに挑戦し、クリエイティブなマインドを持つ人材を育成することが、これからの日本の学校教育で求められていることだと2つの講演で分かった。

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この記事の著者

高橋 美津(タカバシ ミツ)

PCやネットといったIT分野を中心に、ビジネスやゲーム分野でも執筆を行うフリーランスライター。Windowsユーザー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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