光村図書出版は、全国の公立小中学校に通う児童・生徒の保護者を対象に実施した、「家庭学習におけるデジタル端末の活用状況」に関するアンケート調査の結果を、6月30日に発表した。同調査は、5月30日~6月1日の期間に行われ、500名(男性:265名、女性:235名)から有効回答を得ている。
調査対象者に、自身の子どもがパソコン・タブレット端末・スマートフォンといったデジタル端末を家庭学習に使ったことがあるかを尋ねたところ、64.4%が「ある」と回答した。一方で、「ない」という回答も29.2%に達している。
2021年4月以降に、家庭においてデジタル端末をどのくらいの頻度で学習目的に使ったかを尋ねた質問では、「週に数回」(38.8%)、「毎日」(28.3%)が上位を占めた。家庭学習にデジタル端末を使ったことがある子どもでは、7割近くが高い頻度でデジタル端末を学習に活用している。
デジタル端末を活用した家庭学習を行った教科としては(複数回答)、「算数・数学」(73.3%)、「国語」(62.1%)が上位となった。「英語」は、学校での外国語活動が始まる小学3年生以上に限れば50.0%、中学生以上に限れば58.3%に達し、学年が上がるほど利用度が高い。
家庭で学習のために使ったことのあるデジタル端末の種類を尋ねたところ(複数回答)、「タブレット端末」(75.5%)がもっとも多く、他のデジタル端末と比較して2倍以上に達している。
デジタル端末を使用した場面としては(複数回答)、「通信教育に使った」(37.9%)が最多で、「学習アプリの問題を解いた」(32.0%)がそれに続いた。
学年別でみると、小学生では10%台だった「学習でわからないところをネット検索した」が、中学生では27.9%で最多となっている。
保護者として今後、現在よりも積極的にデジタル端末を家庭学習に使ったほうがよいと思うかを尋ねたところ、「よいと思う」(26.0%)、「どちらかというとよいと思う」(37.0%)を合わせた回答が63.0%に達し、「どちらかというとよいとは思わない」(6.4%)、「よいとは思わない」(2.0%)を大きく上回った。一方で、「どちらともいえない」も28.6%に達している。
デジタル端末での家庭学習で、よいと思う点を尋ねた質問(複数回答)では、「学習効率がよい」(38.2%)、「いつでもどこでも学習できる」(38.0%)が上位となった。
デジタル端末での家庭学習で、不満・不安な点としては(複数回答)、「子どもの健康面が心配」(32.6%)がもっとも多く、「子どもを長時間デジタル機器に触れさせたくない」(29.6%)がそれに続いている。また、「子どもがデジタル端末に慣れていない」(9.4%)、「保護者が端末の操作に慣れていないので、子どもの質問に答えられない」(6.2%)、「通信環境が整っていない」(4.4%)といった意見もみられた。
学年別では、「子どもの健康が心配」という回答が小学生ではもっとも多かったものの、その割合は学年が上がるに従って減少している。
小学校では2020年4月から、中学校では2021年4月から、教科書紙面にQRコードが記載されるようになったことを知っているかを尋ねたところ、「知らない」が73.4%に達した。
自身の子どもが、QRコードコンテンツを家庭学習に活用したことがあるかを尋ねた質問(複数回答)では、「ある」という回答は16.0%に留まったものの、小学1年生の家庭では26.8%が「ある」と答えている。
教科書のQRコードコンテンツについての意見を尋ねたところ(複数回答)、「学習への興味が高まる」(52.8%)、「学習理解が深まる」(31.0%)が、「なくてもいいと思う」(29.2%)を上回った。
- 関連リンク
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア