日本能率協会総合研究所は、同社が提供するMDB Digital Searchが調査・推計した、デジタル教科書市場の規模を3月29日に発表した。
同社の調査・推計結果によれば、2025年のデジタル教科書市場は800億円と見込まれる。
デジタル教科書は、小中学校や高等学校などで用いられる教科用図書(紙の教科書)を電子化した教材で、タブレット端末などで利用される。教員向けの「指導者用デジタル教科書」と、児童・生徒が利用する「学習者用デジタル教科書」が存在し、教科書検定に合格した教科用図書を発行している出版社によって、該当する教科書が電子化されて提供される。
2019年4月に施行された「学校教育法等の一部を改正する法律」では、教科用図書を主たる教材として使用しつつ、必要に応じてデジタル教科書を併用可能となっており、一部の単元学習時に教科用図書に代えてデジタル教科書のみを使用して学習できるようになった。
なお、デジタル教科書は義務教育における教科用図書の無償給付対象とはなっていないため、補助教材のように自治体や学校が費用を負担して採用・導入する。
そのほか、デジタル教科書には、文字の拡大や音声読み上げといった機能を備えたものもあり、視覚障がいや読字障がいなど学習において障がいを持つ児童・生徒の支援を目的とした活用が先行するとみられており、デジタルならではの機能を活かした学習効果の向上や、利用データの収集・分析といった活用も期待・検討されている。
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