※本稿では2020年12月27日に開催されたイベント当時の内容を掲載しています。現在の各CoderDojoの状況は異なる場合があります。(編集部)
ニンジャたちがオンラインで盛り上がるコツを紹介
CoderDojoは民間のプログラミング教室などとは異なり、あくまで子どもたちが自学自習を行う場だ。なお、運営者は「チャンピオン」、参加する子どもたちは「ニンジャ」、ニンジャをサポートするボランティアの参加者は「メンター」と呼ばれている。
CoderDojo瑞穂は、2018年から愛知県名古屋市瑞穂区で始まり、12月27日時点ではオンラインと現地でのハイブリッドで開催している。自らもソフトウェアエンジニアであるチャンピオンの佐原慎也氏は、コロナ禍でオンライン開催を始めた当初は、「オンラインの場合一度に話せるのは1人なので、子どもたちへ話しかけるタイミングに悩んでいた。画面の向こうの相手が何をしているのかわからないため、オンラインでのDojo運営は難しい」と感じていたという。
しかし、実際にオンラインでCoderDojoを開催したところ、これまで10人だった常連のニンジャが、なんと1.5倍の15人に増えた。佐原氏は「コロナ禍の自粛でさびしい思いを抱えているチャンピオンも多いと思うが、いつ終わるかわからない状況を耐えるのではなく、コロナ禍でも盛り上げる方法を伝えたい」として、ニンジャたちとともにノウハウを紹介した。
【その1】作品で一緒にあそぶ
最初のおすすめは「作品で一緒にあそぶ」ことだ。CoderDojo瑞穂では、夏休みなどに長期間の「オンラインブートキャンプ」を開催している。そこで1人のニンジャがつくったScratchのゲームを参加者みんなであそんでみたところ、大変盛り上がったという。その後、それぞれの参加者がみんなであそべるパーティーゲームをつくり、一緒にあそぶようになった。
ブートキャンプに初参加したニンジャは、「みんなであそびたいと思ってゲームをつくると楽しいし、わからないことを教えてもらうとコミュニケーションも増えるしScratchのスキルも上がり、いいことばかり。盛り上がって誰とでも話せるようになった」と、楽しかった経験を語ってくれた。
チャンピオンの佐原氏は、「みんなで一緒あそぶことはとてもCoderDojoらしい、簡単にできるイベント。今すぐ実践できるので、ぜひ試してみてほしい」と話した。現地開催であれば、子どもたちはチャンピオンが何も言わなくてもあそび始めるが、オンラインでは、あえて「あそぶ時間」を設けることがポイントだ。「プログラミングの時間を1時間ぐらいとだすると、あそぶ時間はその中の30~45分ほどとってもいい」と佐原氏。CoderDojo瑞穂では、黙々とプログラミングする時間よりも、交流に時間をとろうという方針だ。
【その2】外部のイベントにみんなで参加する
2つ目は、外部のプログラミングなどのイベントにみんなで挑戦すること。CoderDojo瑞穂では、これまでリモート体験会イベント「ハックフォープレイ フェス(HackforPlay Fes)」に2回参加し、大変好評だった。この「ハックフォープレイ フェス」は、YouTube Liveを見ながらゲームをあそんだりつくったりするイベントで、投稿された参加者の作品を「ハックフォープレイ」の公式YouTuberが実況プレイで紹介してくれる。
イベント当日、ニンジャたちはZoomでオンラインDojoに参加しながら、同時にYouTube Liveで「ハックフォープレイ フェス」に挑戦した。「ハックフォープレイ」開発者の1人、たに氏が瑞穂のニンジャたちの作品を4人続けて実況プレイした際は、ニンジャたちのテンションが大いに上がった。
「わからない子にはニンジャ同士で教え合い、『ありがとう』という言葉が自然に飛び交う。とても幸せな気分になった」と話す参加者のニンジャ。イベントがきっかけで、ニンジャ同士の仲も深まったという。
佐原氏は「外部イベント参加で得られる効果は、合コンに似ている」と分析。「合コンの数合わせで一緒になった人でも、終わった後の反省会では打ち解けている。この外部イベントも、同じ目的で同じ時間を過ごすと仲良くなる」として、「参加するイベントは何でもいいので、グループをつくって参加することで仲良くなれる」とアドバイスした。