アルクは、調査レポート「ALC NetAcademy NEXTを利用した授業モデルとその効果-教室での学びと学外自習を結び付けた広島大学の事例報告」を、11月28日に発表した。
近年、英語教育にeラーニングを導入して授業の効率化を図る教育機関が増え、授業以外の学習時間を確保するための自己学習、授業中の演習、正規授業に関連付けた課外学習など、eラーニング活用の仕方もさまざまな工夫がされている。一方、「eラーニングの効果検証」として公開された事例はまだ少ない。
今回、アルクは広島大学との共同研究として、「eラーニングの効果検証」を実施した。広島大学では、授業の事前課題と授業中の小テスト実施という形態で、eラーニングの「ALC NetAcademy NEXT」が利用されている。授業を履修した学生から収集したデータを使って試みた教育効果の検証は、同大学外国語教育センターの森田光宏先生によってまとめられた。
eラーニングの利用形態とその結果は以下の通り。
授業外で行う「ALC NetAcademy NEXT」の利用について
使用する端末は主にPCで、スマホ・タブレットの利用は平日の移動時間帯に限られている。学習の時間帯は、平日、休日ともに夜か深夜に集中している。月曜日には授業があるため、休日(日曜日)の日中も学習している様子も見受けられた。また、学外の学習場所はほとんど自宅となっている。
以下の図は「ALC NetAcademy NEXT」を利用する機器や時間帯、場所に関するアンケート結果をまとめたもの(数値は%)。なお、パソコンの利用が多いのは、「学生はパソコン必携」と大学が決めていることが影響している。
次の以下の図は、学習履歴データを使い、「ALC NetAcademy NEXT」の学習単位Stage 1のアクセスについて、曜日や学習開始時刻、アクセス回数を見たもの。横に曜日、奥に学習開始時刻(0時~24時)、縦方向にアクセス回数を取っており、最も多いのは月曜日の14時30分(授業の直前)だった。
「ALC NetAcademy NEXT」の学習履歴とTOEICの結果について
設定されたコースの中のStage 1、 2、 3という学習単位別に見ると、Stage 1のみの利用が圧倒的に多い理由として、授業の内容と直結しているからだと想定される。また、TOEIC(2回)のスコア変化と学習履歴を見ると、学習時間やアクセス頻度など、利用度合いが高いほどスコア向上につながっている。
下の図は、2018年10月のTOEIC得点を縦に、Stage 1のユニット数を横に置いており、予測得点を実線で示したものとなる(実線の周囲の濃いグレーの部分は95%信頼区間を示す)。予測得点が右肩上がりになっていることから、ユニット数を多く行った受講生ほど、10月のTOEICでより高い得点を得ていることが分かった。
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