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イベントレポート(STEAM教育)

トライ&エラーを繰り返しチームで戦う60分間! AIラジコン「Donkey Car」の競技大会開催

「Edvation x Summit 2019」イベントレポート

 一般社団法人iOSコンソーシアムは、11月4日に開催されたEdvation Summit内の特別企画として、「第1回 AIラジコンカーグランプリ」を開催した。「Donkey Car(ドンキーカー)」というラジコン用のAI学習プラットフォームを使い、タミヤ製ラジコンカーに走行データを機械学習させ、自動走行でコース周回スピードを競う。これを各チームが1時間の持ち時間の中で行う、学校対抗のグランプリだ。本コンテストは、生徒が最新IT技術を学ぶ機会を提供し、複数の学校間の生徒交流を図る目的で実施された。AIラジコンカーグランプリ大会事務局の協力のもと、1回目の開催となった本大会の様子をレポートする。

AIに触れ、理解するきっかけに

 「Donkey Car(ドンキーカー)」は最近アメリカを中心に注目を浴び始めた、ラジコンカーにAIを搭載できるプラットフォーム。Googleが提供している機械学習のためのソフトウェアライブラリ「TensorFlow」をマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」に搭載し、ラジコンカーにカメラを搭載したもので、走行時の画像データを機械学習させることによって、ラジコンの自動運転を実現できる仕組みになっている。

 日本ではまだあまり知られていないが、今回、タミヤの協力もあり、見た目も工夫をこらすことのできる自動運転ラジコンが実現された。

 記念すべき第1回の本大会に参加したのは、海城中学高等学校の中学3年生5名のチーム(物理部)と、筑波大学附属桐が丘特別支援学校の中学2年生を中心とした4名のチーム(ICT研究会)。

海城中学高等学校チーム(右)と、筑波大学附属桐が丘特別支援学校チーム(左)
海城中学高等学校チーム(右)と、筑波大学附属桐が丘特別支援学校チーム(左)

 大会主催のiOSコンソーシアム 代表理事の野本竜哉氏は、「『AIが仕事を奪う』などと言われていますが、ちゃんとAIを触って理解したうえで、AIを使って世の中をどう良くしていくかといったことを考えるきっかけになれば」と想いを語り、開会を宣言した。

iOSコンソーシアム 代表理事 野本竜哉氏
iOSコンソーシアム 代表理事 野本竜哉氏

 競うのは、トラック10周のラップタイムの平均。各校1時間で準備、学習、周回を行う。大幅なコースアウトなどは無効周回としてカウントされない。生徒たちが任されているのは、主に学習走行のコントロールと、カメラの位置やステアリングの調整部分。パーツは大会主催側が提供した情報をもとに、両校が用意した。

大会規定

 (1)記録測定対象:有効周回数10周の平均ラップタイム

 (2)準備、AI学習、記録測定時間:1チーム60分(片付けは別で30分確保)

 (3)ラジコン本体:タミヤ製のラジコンカーにRaspberry Pi Ⅲ Model Bを搭載

 (4)Control対象:ステアリングを対象。ただし、スロットルのパーセンテージは問わない

 (5)AI走行時のルール:

  • コースアウト(外側)した場合はもとの場所近辺に戻して再開、有効周回とする。
  • 明らかにショートカット走行した場合は、無効周回とする(計算対象外)。
  • コースアウト(外側)した際のフォロワーは4名までとする。
  • 車が故障等した際はピットインとして取り扱い、向こう周回数とする。ただし、与えられた時間を延長することはない。
  • 逆走した場合は、再度、逆走し始めた場所近辺からスタートする。
  • ルールに定めが無い事項が発生した場合は、実行委員で協議の上、取り扱いを判断する。

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トライ&エラーを繰り返しながらチームで戦う60分間!

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この記事の著者

岡田 果子(編集部)(オカダカコ)

2017年7月よりEdTechZine編集部所属。慶応義塾大学文学部英米文学専攻卒。前職は書籍編集で、趣味・実用書を中心にスポーツや医療関連の書籍を多く担当した。最近は英語学習のアプリやオンライン講座に興味がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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