AIに触れ、理解するきっかけに
「Donkey Car(ドンキーカー)」は最近アメリカを中心に注目を浴び始めた、ラジコンカーにAIを搭載できるプラットフォーム。Googleが提供している機械学習のためのソフトウェアライブラリ「TensorFlow」をマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」に搭載し、ラジコンカーにカメラを搭載したもので、走行時の画像データを機械学習させることによって、ラジコンの自動運転を実現できる仕組みになっている。
日本ではまだあまり知られていないが、今回、タミヤの協力もあり、見た目も工夫をこらすことのできる自動運転ラジコンが実現された。
記念すべき第1回の本大会に参加したのは、海城中学高等学校の中学3年生5名のチーム(物理部)と、筑波大学附属桐が丘特別支援学校の中学2年生を中心とした4名のチーム(ICT研究会)。
大会主催のiOSコンソーシアム 代表理事の野本竜哉氏は、「『AIが仕事を奪う』などと言われていますが、ちゃんとAIを触って理解したうえで、AIを使って世の中をどう良くしていくかといったことを考えるきっかけになれば」と想いを語り、開会を宣言した。
競うのは、トラック10周のラップタイムの平均。各校1時間で準備、学習、周回を行う。大幅なコースアウトなどは無効周回としてカウントされない。生徒たちが任されているのは、主に学習走行のコントロールと、カメラの位置やステアリングの調整部分。パーツは大会主催側が提供した情報をもとに、両校が用意した。
大会規定
(1)記録測定対象:有効周回数10周の平均ラップタイム
(2)準備、AI学習、記録測定時間:1チーム60分(片付けは別で30分確保)
(3)ラジコン本体:タミヤ製のラジコンカーにRaspberry Pi Ⅲ Model Bを搭載
(4)Control対象:ステアリングを対象。ただし、スロットルのパーセンテージは問わない
(5)AI走行時のルール:
- コースアウト(外側)した場合はもとの場所近辺に戻して再開、有効周回とする。
- 明らかにショートカット走行した場合は、無効周回とする(計算対象外)。
- コースアウト(外側)した際のフォロワーは4名までとする。
- 車が故障等した際はピットインとして取り扱い、向こう周回数とする。ただし、与えられた時間を延長することはない。
- 逆走した場合は、再度、逆走し始めた場所近辺からスタートする。
- ルールに定めが無い事項が発生した場合は、実行委員で協議の上、取り扱いを判断する。