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イベントレポート(プログラミング教育)

私がエンジニアを目指す理由――ロボコン世界大会で活躍の品川めぐみさんが女子中高生と語った「好奇心」と「キャリア」


 デジタルハリウッドが運営するエンジニア・起業家養成スクール、G's ACADEMYが開催する中高生向けのプログラミング集中講座「G's ACADEMY YOUTH CAMP」。今年の夏休みには、通常のコースに加えて女子中高生のための「G's ACADEMY YOUTH CAMP for GIRLS」が開催され、ゲストスピーカーとして、高校時代VEXなどのロボコンで活躍し、この秋からイスラエルの大学でエンジニアを目指す、品川めぐみさんが登壇。参加した女子中高生たちと、どんなアイデアを交わしたのだろうか。当日の様子をレポートする。

なぜ私がエンジニアを目指すのか?を「YOUTH CAMP for GIRLS」で語る

 女子中高生のためのプログラミングキャンプ「YOUTH CAMP for GIRLS」は、「女の子にプログラミングの楽しさを知ってもらい、活躍するセカイをつくりたい」という思いから、今年初めて開催された。

 参加者は、マレーシアから夏休みの間帰国した中学生や、Web関係の仕事をしている母親にすすめられて参加した高校生など、計6名。すでにプログラミングには触れたことがあることが参加条件のプログラムで、この4日間、自分の手で何かを生み出すためのクリエイティブ・プログラミングを学ぶ。

 初日にゲストスピーカーとして登壇した品川めぐみさんは、インターナショナルスクールに小学生の時から通い、高校では世界規模のロボコンに日本代表として出場、共同キャプテンとしてチームを導いた。この秋からは、イスラエルのテルアビブ大学で電気工学を学ぶことが決まっている。

 自身のキャリアについて「なぜエンジニアになろうと思ったのか」を軸にTED Talk風に発表した。

ロボティクスの大会で気づいた「チームの大切さ」

品川めぐみさん

 2000年生まれ。中学の時からプログラミングを始め、高校のロボティクスチームに参加してSTEMに目覚める。 G's YOUTH CAMPの修了生。 毎年世界60カ国から2万4000チームが参加する世界最大のロボティクスコンペティション VEX Roboticsの世界大会に三年連続日本代表チームとして出場。そのうちの2大会でチームの共同キャプテンを務めた。また世界中で3Dプリンターによる義手を子ども向けに提供しているE-NABLE運動の学校チャプターを同級生と共同で創立。学校内で小学生向けの3Dプリンター・ワークショップなどを開催している。 今夏都内のインターナショナルスクールを卒業し、2019年秋よりイスラエルのテルアビブ大学工学部に進学予定。

 キャリアについて話す前に、品川さんが普段から大切にしていることについて紹介した。以下の3つは、品川さん自身のメンタリティーを形づくっている、核の部分だ。

  • 人とのコミュニケーション
  • 競争
  • とりあえずやってみるガッツ

 まず「人とのコミュニケーション」については「小さいころから人とつながってコミュニケーションをとるのが好き」で、長年大切にしていることだと話す。「競争」は、高めあう相手がいるからこそ自分もがんばれるので、大事に思っているという。「一緒に競争して伸びてくれる相手がいないと成長できないと思っている。友達には『あまり競争は好きじゃない』という子も多いけど、私は大切だと思っています」と語った。また、「とりあえずやってみるガッツ」については、「好奇心が強く、小さいころから興味のあるものはとりあえずやってみて、好きかどうか決める」性格だと自身を分析。次のステップに進むために大切だという。

 そんな品川さんは高校に入り、将来のことを考え始めた時、エンジニアではなく弁護士になろうと思っていたそうだ。

 高校では、中学校よりも自由度が増し、よりやりたいことができる環境になったと感じて、スポーツやディベートなどさまざまなことに楽しく取り組んでいた。「好きなことややりたいことがありすぎて、絞り込むことが嫌だった」品川さんは、すべてを生かしてできる仕事を模索した結果、「法律を勉強しよう」と思ったという。弁護士の仕事には多様な知識、スキルを生かせると考えたからだ。

 ではなぜ、エンジニアを目指すことになったのだろうか。品川さんは、数学や理科が得意で、学校の先生には「エンジニアになりなよ」とすすめられていたものの、エンジニアには「黙々と一人でスキルを磨いてやっているイメージ」があり、向いていないと断っていた。

 しかし、そんな品川さんの考えを大きく変えた経験が、世界最大規模のロボコン「VEX Robotics」への参加だ。ロボティクスの世界に入ってから、従来抱いていたエンジニアのイメージが間違っていることに気づく。

 品川さんは高校2年生でロボティクスのクラブに入会した。それまで、ロボティクスに触れる機会は多くなく、学校の科学の授業で触ったり、自宅にあるLEGOのマインドストームで遊んだりした程度。それでも、先輩たちの試合を見て飛び込んでみたいと思い入会、毎年アメリカで開催される「VEX Robotics」に出場した。

 日本のロボコンとは異なるその大会イメージを伝えるため、昨年12月に出場した際の動画を紹介した。

 たしかに、一人で黙々と機械をいじったりコードを書いたりするイメージからは離れて、チームで話し合い喜びを分かち合う様子が印象的だ。

 VEX Roboticsでは、ほかのチームと組んで協力して試合をするため、チーム内のコミュニケーションはもちろん、それまで知らなかった他のチームとのコミュニケーションも重要になる。その中で品川さんは、他のチームの調査や作戦会議のリードなど、主に「人と人をつなぐ」役割を担い、高校3、4年生では共同キャプテンとしてチームのPRと3Dモデリングを担当していた。

 品川さんがこの経験を通して学んだのは、「チームの大切さ」だという。プログラマーはもちろん絶対不可欠だが、そのメンバーの力を引き出し、チーム全体をつなぐリーダーが必要だと感じた。

 「ロボットのデザインには正直それほど興味がなかったが、それでも私の強みであるコミュニケーション能力とリーダーシップは勝つために絶対必要だった。私だけだと始まらないけど、技術者だけでも始まらない。チームがあるから私の強みが生きるし、私がいるからチームが強くなるということに気づいた」

 そして、「将来はずっとこういう環境にいたい」と思い、エンジニアを目指すに至ったという。

 「自分の技術とスキルを高めるためではなく、自分より技術やスキルのある人とつながってチームメイトになり、世界を変えていくことをしたい」――だからエンジニアになりたいと品川さんは言い切る。

 中学生、高校生の参加者に対して、「まだ若いし、将来何をやりたいか分からないかもしれないけど、それでいいんだと思う」と声をかけたうえで、最後に以下の2つをアドバイスした。

 1つ目は、「とりあえず興味のあることはやってみる」こと。これは品川さん自身も大切にしていることだ。最初はうまくいかないかもしれないし、結局は思ったものと違って全く好きじゃないかもしれない。しかし、とりあえずやってみてどうなるか試すプロセスは重要だ。

 2つ目は「仲間を見つける」こと。個人のスキルや強みも、仲間がいないと磨かれず、生かされないからだ。「今興味があることを、仲間がいないからといってあきらめないでほしい。周囲にいなくても、世界のどこかに絶対自分の価値観を共有できる仲間がいるはず。今はSNSでつながれる時代」と力強く話した。

次のページ
「やりたいことが多すぎる」「親を説得するには?」――参加者と話した「興味」と「将来」のこと

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この記事の著者

岡田 果子(編集部)(オカダカコ)

2017年7月よりEdTechZine編集部所属。慶応義塾大学文学部英米文学専攻卒。前職は書籍編集で、趣味・実用書を中心にスポーツや医療関連の書籍を多く担当した。最近は英語学習のアプリやオンライン講座に興味がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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