国ごとのブレインテックの特色と日本
ブレインテックが特に活発なのはアメリカとイスラエルと言われていますが、アメリカはアルツハイマー病などの医療方面を重視しているようです。また教育面では、脳のパフォーマンスを上げるというよりは子どもの脳の健全な育成を重視している印象を受けます。
イスラエルではブレインテックを鬱病、PTSD、慢性疼痛などの改善に活用しようという医療分野の動きも活発ですが、眠りの質を改善するスリープテックなど生活を良くする方向のサービスも注目されています。
ブレインテックを最も積極的に教育に取り入れていると言えるのは中国でしょう。毎年6月頃になると、中国で一斉に開催される大学入学試験である全国普通高等学校招生入学考試、通称「高考」が日本でもニュースになります。このことから分かるように、中国は日本よりはるかに壮絶な受験戦争の国です。そんな中国で、クラスの生徒全員に脳波を計測するヘッドセットを付けている写真が話題になりました。
- 「BrainCo CEO says his ‘mind-reading’ tech is here to improve concentration, not surveillance」(South China Morning Post)
- 「Chinese Parents Want Students To Wear Dystopian Brainwave-Detecting Headbands」(SupChina)
生徒全員の脳の状態を見える化する取り組みは中国でも賛否両論ですが、効率的な学習を行うことでライバルに少しでも差をつけるために導入する学校は増えてくることが予想されます。
では日本の状況はというと、良く話題になるのはニューロマーケティングという分野で、テレビCMや新商品についてアンケートでは汲み取れない脳の反応を探ろうという試みです。株式会社電通サイエンスジャムや株式会社センタンなどが脳波をもとにニューロマーケティングの取り組みを行っています。医療分野では、日本の医療に関する法律が厳しいこともあり、ハードルが高くサービスとして出てくるにはもう少し時間がかかりそうです。そんな中、ブレインテックを教育に活用しようと意欲的な取り組みをしているのが株式会社NeUと株式会社JSOLです。