改修には、大学の有識者や教育現場の声が反映され、授業用コンテンツを追加するとともに教員向けの学習指導案なども作成された。学習指導案(総合的な学習、算数)や小学校の授業で使いやすい「学習用ポッキーセット(ポッキーが印刷されたポッキーに代用できる教材、先着配布)」は、特集ページから入手することができる。学習指導案では、GLICODEを使って「うまく授業を進めるための手立て」なども記載されている。
諸外国と同じく、日本でも2020年度の小学校におけるプログラミング教育必修化を皮切りに、義務教育においてコンピューターサイエンスを学ぶ機運が高まっている。一方で、それを教えられる教員や子どもが理解しやすい教材が不足していることが喫緊の課題だ。創業以来、子どもたちの健やかな成長を願ってきたグリコでは、これらの課題を解決すべく、おいしいおかしを食べながら楽しく遊び、学べる無料のプログラミング学習アプリ「GLICODE」を2016年に開発した。
子どもが大好きな「ポッキー」を一定のルールに従って並べることで、キャラクターの「ハグハグ」を動かし、ゴールを目指す仕組みとなっている。クイズのように徐々に難しくなる遊びを通して、「SEQUENCE(順番に実行)」「LOOP(繰り返し)」「IF(場合分け)」「RANDOM(ランダム)」といったプログラミングで必要とされる基礎的な考え方(ロジック)を一通り学ぶことができる。
これまでGLICODEは国内20校以上に加え、シンガポールやタイの小学校でも課外授業に活用されてきたが、今回の改修にあたり、柏市立大津ケ丘第一小学校(千葉県)、墨田区立業平小学校(東京都)、箕輪町立箕輪中部小学校(長野県)の義務教育課程(総合的な学習、算数)でも活用され、フィードバックを受けた。
柏市教育委員会 教育専門アドバイザーの西田光昭氏は、GLICODEを小学校の授業で活用する上で、次のようなコメントを寄せている。
「グリコ―ド」は、子どもたちが身近なお菓子を使って楽しみながら学べる点が魅力的だ。具体物を並べて考えるという活動を通じて、「シーケンス(順次処理)」や「ループ(繰り返し)」といった基本的な概念に触れ、感覚を養うことができる。わかりやすい操作性なので、プログラミングに初めて触れる子はもちろん、既に経験している子も楽しみながら体験することができ、準備段階として低中学年から活用できる可能性がある。