ベネッセコーポレーションの社内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所は、子どもを持つ保護者403名を対象に、平成24年1月~平成30年3月にかけて実施した「幼児期から小学生の家庭教育調査・縦断調査」の調査結果第5弾を、2月25日に発表した。
「幼児期から小学生の家庭教育調査・縦断調査」は、3歳児から小学4年生までの7年間、同じ子どもの様子や保護者の意識の変化を追うことで、幼児期から児童期にかけての子どもの育ちや、保護者の関わりを明らかにすることを目的としている。
同調査では、小学校入学以降の学習や生活につながる幼児期の学習準備として、「生活習慣」「学びに向かう力」「文字・数・思考」の3つの軸を設定して調査を行った。
なお、「がんばる力」は「学びに向かう力」の1つであり、「物事をあきらめずに、挑戦することができる」「自分でしたいことがうまくいかないときでも、工夫して達成しようとすることができる」「一度始めたことは最後までやり通せる」「どんなことに対しても、自信を持って取り組むことができる」の4項目をはかっている。
同調査によると、幼児期に「がんばる力」が高く身についた子どもほど、小学校低学年で「勉強していてわからないときに、自分で考え解決しようとする」「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」傾向が見られた。
「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」といった小学校低学年での主体的な学習態度や、「物事をあきらめずに挑戦する」といったがんばる力の高さは、小学4年生における「ノートを整理して書いている」「自分のことばで順序をたてて、相手にわかるように話せる」など、言葉のスキルや思考力の高さにつながっている。
幼児期から児童期の「がんばる力」に、親の関わりがどのように影響するのかを分析したところ、年少児期に子どもの意欲を大切にすることや、思考の促しといった養育態度が影響を与えており、年長児期の親の就労の有無や子どもが幼稚園、保育園出身であるかによる違いの差は見られなかった。
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