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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ

個人情報の入力リスクや回答を丸投げしてしまう不安──「生成AI」を安心して使うための授業設計とは?

GIGAスクール構想時代における学級担任のススメ 第16回

新しい技術は、いつも不安と一緒にやってくる

一郎先生と話して、視界が晴れた気がします。それでも、やっぱりまだ少し「怖いな」という気持ちは残っていますが……
一郎
その感覚はとても自然なものだし、なくしてはいけないセンサーだよ。でも、思い出してみよう。GIGAスクール構想で1人1台端末が入ってきたときも、私たちは同じように不安だったじゃないか
確かに……パスワードを忘れる、関係ない動画を見る、勝手に写真を撮る……いわゆる「やらかし期」ですね
一郎
そうそう、毎日がトラブル続きだった。でも私たちは、端末を「禁止」するのではなく、失敗を前提にしながら使い方を「育てる」という姿勢を選んできたよね
生成AIも、その延長線上にあるということですか?
一郎
本質はまったく同じだよ。ただ、少し波の大きい新しい技術が来ただけだ。最も危険なのは、「思考停止」に陥ること。便利だから何も考えずに全部AIに任せる、あるいは、怖いからリスクをゼロにするために全部禁止する。どちらも、教育者としての思考を止めてしまっている状態だよね
教育とは、変化の中で思考を止めない営み……だから生成AIについても、私たち自身が考え続けなければいけないんですね

大きく捉えて、小さく考える

でも、AIの進化のスピードは速すぎます。追いつける気がしません
一郎
だからこそ、「大きく捉えて、小さく考える」ことを心がけよう、ってね
どういう意味でしょうか?
一郎
まず「大きく捉える」というのは、技術の表面的な便利さや危うさに一喜一憂するのをやめて、「学びの本質がどう変わるのか」という大きな枠組みを掴むことを指しているんだ。AIは単なる便利な道具ではない。これからの社会の当たり前になっていく可能性が高い存在だ。だからこそ、禁止という蓋をして目を逸らすのではなく、「どう使うか」を設計する責任が、僕たちにはあるんだよ
本質から捉える。それが、設計の第一歩……
一郎
そう。教材研究をするとき、いきなり第1時について考えないよね。まずは単元全体の目標や流れ、他の単元との接続など、大きな枠組みを捉えると思うんだ。同じように新しい技術についても大きな枠組みで捉えられる目を養っておくことは非常に大切だよ。そして、その大きな枠組みを掴んだ後だからこそ、「小さく考える」ことが生きてくる。それは、教室の些細な点、一人ひとりの子どもの姿に、丁寧に目を配ることなんだよ
細かな点に、目を配る
一郎
そう。いきなり壮大な授業案を考えてやろうとしなくていいんだ。まずは明日の10分間、目の前のあの子が放つ「問い」に対して、AIをどう寄り添わせるか。プロンプトの一言をどう工夫すれば、その子の思考がもう一段深く潜れるか。そうしたミクロな視点での微調整こそが、授業の質を決めるんだ。「質問メーカー」のような小さな実践から始めて、一つひとつの手応えを確認し、教室の空気に合わせて細部を磨き上げていく
大きく本質を掴み、小さくディテールを整える……
一郎
その通り。「マクロの目」で遠い未来の学びの本質を見据えながら、「ミクロの目」で足元の子どもの表情を観察し、設計を微調整し続ける。この2つの視点を往復し続けることこそが、新しい技術と向き合い、豊かな学びを設計し続ける教師の「構え」なのだと、僕は思うよ
なるほど。それにしても、いきなり壮大な話にまでなりましたね
一郎
それもそのはず。今回の記事をもって、EdTechZineでの連載は終了なんだ
え、そうなんですか?
一郎
残念だけど……ね。でも、この連載を通してずっと同じ考えが根底にあった。それは大きく捉えて小さく考えること。この後、どのような技術が発達しても、僕たちのやるべきことは同じだ。一緒に物語の続きを作っていけるとうれしいな

さいごに

 1人1台端末の導入から始まったこの連載。やらかし期に戸惑い、スクリーンタイムに悩み、そして今、生成AIに向き合いながら、私たちは立ち止まることなく問い続けてきました。

 技術の形はこれからも変わり続けるでしょう。しかし、「子どもを信じ、その歩みに寄り添いながら学びを設計する」という私たちの姿勢は変わりません。

 大きく捉えて、小さく考える。 その小さな挑戦の積み重ねが、これからのあたたかい教室を、そして子どもたちの豊かな未来をつくっていくのだと、私は信じています。

 長期間の連載を読んでくださった読者の皆さまと、掲載を続けてくださったEdTechZineに深く感謝いたします。

 ありがとうございました。

記事内人物イラスト:©hitomi miyahara - stock.adobe.com

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この記事の著者

鈴谷 大輔(スズヤ ダイスケ)

 公立小学校教諭。プログラミング教育の教員コミュニティ「Type_T」代表。みんなのコード プログラミング教育 養成塾(2019夏期集中コース)修了。プログラミング教育関連のイベント運営に複数携わる。放送大学「Scratchプログラミング指導法」ゲスト出演。Maker Faire Tokyo 201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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