未来や可能性の議論に加え、「明日」の教育改革を考える
「Classi」は、ベネッセホールディングスとソフトバンクの合併会社であるClassi株式会社が提供する、学校向けの「学習支援クラウドサービス」。昨年末の時点で、高校での導入率は4割を超え、利用者は生徒80万人以上を数える。
そのステークホルダーが集まる「FAN MEETING」が8月3日、JPタワー ホール&カンファレンスにて開催された。ユーザーである教員やパートナー企業など200人以上が、カラフルな「Classi」のロゴ入りTシャツに身を包み、開放的な雰囲気のもとで活発な情報共有や意見交換を行った。
オープニングのあいさつではClassiで代表取締役副社長を務める加藤理啓氏が登壇。昨年からの大きなテーマである「共創」を振り返り、「子どもを中心に、大人たちが立場を超えて連携し合い、教育の『変えようとするべき部分』と『変えないようにするべき部分』を考えるための場にしていきたい」と語り、その上で「未来や可能性だけでなく、『明日』の授業をデザインすることも一緒に考えていきましょう」と続けた。
Classiは、2018年4月に2つのサービスをローンチ。まず、東京学芸大学の森本康彦教授監修による「Classiポートフォリオ」は、生徒自身が日々の学校生活の中で得た学びを振り返ることで、「主体的に学ぶ力」を育成するというもの。英語4技能、探究学習、プログラミングなどとの連携サービスも用意され、幅広い学びを支援している。既に798校が導入し、生徒の活動記録は18万7000件以上にも上る。
もうひとつのサービスである「Classiプラットフォーム」は、サービスのアカウント「ClassiID」で英語4技能、プログラミング、アクティブ・ラーニングなど、パートナーが提供するさまざまな教育サービスが利用可能になるというもの。学校以外の学びも統合し、重層的な学びの把握を行うことを目的としている。
加藤氏は「この1年間で116件、2日に1件の改善を積み重ねてきました。気付かなかったこと、方向性が違っていたこと、先生から教えていただいたことを取り込ませてもらった1年でした」と振り返り、今後のさらなるサービスの拡張・充実に意欲を示した。
例えば「Classiポートフォリオ」では「蓄積から活用」フェーズへという意図のもと、スピード感を持って取り組み、「まとめ直し機能」や「相互評価機能」などを提供していくという。また「Classiプラットフォーム」においても2019年4月を目標に、JTBの「修学旅行探究パック(仮)」、ネットラーニングの「先生向けセキュリティ研修」、アディッシュの「いじめ匿名通報 Kids’Sign」などが連携開始となる予定だ。
スマートフォンでの利用が容易になるアプリ「Classiポータルアプリ」の提供開始予定も発表された。先生、生徒、保護者用のインターフェイスが用意され、プッシュ機能で細かい活動にも気付くことができる。なお通知に対するコントロールはチューニングされていくという。
加藤氏は「さまざまな分野の方の力を借りながら、先生が生徒にしっかりと向き合える環境づくりをサポートしていきたい」と語り、改めてパートナー企業との連携を強調した。そして、まだ手を付けられていない分野として「先生の働き方改革」や「スクールカウンセリング」などをあげ、「ICTを活用し、取り組んでいきたい」と意欲を見せた。
さらに加藤氏はClassiの会社としてのミッションである「子供の無限の可能性を解き放ち学びの形を進化させる」を紹介。改めて、イベントの目的を「共創」にあるとした上で、「学び多き、最高の1日にしてください」と結んだ。