東洋大学は埼玉県朝霞キャンパス内に、「朝霞研究機器共同利用センター」を開設し、10月1日より同センターの学外共同利用を開始することを、9月22日に発表した。

昨今、文部科学省が「研究設備・機器の共用推進に向けたガイドライン」を策定するなど、大学が所有する研究機器において、学外との共同利用が進められている。こうした流れを受け、同学では2024年に同センターを設置。共同利用を通じ、学内外の研究者との連携を強化し、さらなる研究力の向上を図るため、利用環境の整備を進めてきた。
同センターを置く埼玉県朝霞キャンパスは、「生命(いのち)と食」の研究拠点として、多様な社会課題に挑む研究を推進している。例えば、極限環境微生物の基礎・応用研究などから、気候変動による植物の多様性の損失や生態系の変化など、独自性の高い研究が行われている。同センターでは、それらの研究を支えているさまざまな研究機器の一部(約30台)において、学外研究者、研究機関、企業などとの共同利用が可能になる。「生体情報部門」「エンジニアリング部門」「形態解析部門」「機器分析部門」の4つの部門で、幅広いターゲットに対応できる各種分析機器をそろえている。各部門には、機器に精通する「研究技術員」を配置し、利用のサポートから機器のメンテナンスまでを行う。
研究機器利用に際しては、利用申請フォームからの申し込みが必要となる。担当者から研究機器の利用に関するヒアリングや利用条件などの確認が行われた後、利用者は対象機器の利用講習会を受講する。受講後、理解度チェックを行い、一定の理解度が確認できると利用可能となる。そして、利用申込書をもとに予約状況を確認し、利用日時の確定後に利用許可書が発行される。利用者は、利用終了後に報告書を提出する。また、利用時間に基づき使用料が発生する。
同センターは、さまざまな分野の研究者同士が知を共有し合うオープンマインドな交流の場としても、研究機関としての新たな価値を創造していくという。
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