東京書籍は、学習者に個別最適な学習体験を提供するためのAI対話型学習サービス「教科書AI ワカル」を、4月17日にリリースした。
近年の教育現場では生成AIを活用した学習支援が急速に進んでおり、文部科学省の「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」では、AIを活用した個別最適な教育の推進を打ち出している。これらの背景を受け、同社は長年培った教科書制作のノウハウと最新の生成AI技術を融合させた新しい学習サービスとして、「教科書AI ワカル」を開発した。

「教科書AI ワカル」は、同社の教科書に準拠した内容となっており、学校の授業と完全に連動しているため、日々の授業や家庭学習の延長として活用できる。今回のリリースでは、中学英語教科書『NEW HORIZON』に対応する体験版をアーリーアクセス版として公開。体験版は、誰でも無料で使用できる。
同サービスでは、AIとの対話によって生まれる「問い」と「答え」のやり取りを通じて、学習者自身が主体的に考えて学びを深められる。学習者一人ひとりの理解度や学習ペースに合わせて、AIがリアルタイムで解説や問題を提示するので、個別指導を受けているかのような学習が可能になる。
同サービスのAIでは、学習に必要な内容だけを出力するように最適化されており、不適切な内容の表示を防ぐ仕組みを備える。あわせて、学習者の入力データがAIの再学習に利用されない仕組みとなっている。
今後は、音声入力・出力機能といった生成AIの機能強化を図ることで、より多様な学習スタイルに対応していく。さらに、中学英語以外の教科への対応を進めるとともに、小学校や高校などにも対象を広げ、より幅広い学習者の支援を目指す。
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