インターネットイニシアティブ(IIJ)は、文部科学省が提唱する次世代GIGAスクール構想「Next GIGA」に向けた、専用帯域確保型インターネット接続ソリューション「インターネット接続 1G/10Gスタンダード」の提供を、公立の小学校・中学校・高等学校を所管する教育委員会向けに、3月1日に開始する。
教育現場では、2019年に文部科学省が発表したGIGAスクール構想のもと、児童生徒向けの1人1台の端末と大容量の通信ネットワークが一体的に整備され、ICT機器の日常的な利活用が進んでいる。しかしながら、文部科学省の「令和7年度概算要求のポイント」によると同省が定めた通信ネットワークの推奨帯域を2023年度時点で満たしている学校は約2割に留まり、クラウド上の学習コンテンツといったインターネットの活用を前提として端末を利用する教育現場では、帯域不足のため1人1台の端末を十分に活用できていない。
このような状況を受けて、「Next GIGA」では端末の更新に加え、デジタル教科書の普及やCBT (Computer Based Testing)の本格展開を目指して通信ネットワークの改善を求めている。2024年8月には文部科学省・総務省・デジタル庁3大臣連名で、電気通信事業関連4団体に対して学校のネットワーク改善に向けた協力要請が発出された。
IIJでは、同要請を受けて、TOKAIコミュニケーションズの光ファイバーネットワークを活用し、教育委員会を対象に価格を抑えた帯域確保型インターネット接続ソリューション「インターネット接続 1G/10Gスタンダード」を新たに提供することとなった。同ソリューションは、IIJが東京都(248か所)、横浜市(517か所)、鎌倉市(26か所)、千葉市(169か所)、柏市(63か所)といった教育委員会向けに専用回線による学校ネットワークを構築してきた実績に基づいたものとなる。
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「インターネット接続 1G/10Gスタンダード」は、規模は問わず県市町村教育委員会単位で、所管の小学校・中学校・高等学校一括の契約となる。なお、要望に応じてSINET経由の接続形態も提供する。
他の利用者の影響を受けない1Gbpsおよび10Gbpsの専用回線を、学校ごとに提供するパターンと、教育委員会所管の学校全体で接続帯域を確保して学校同士で共有するパターンの2通りから選択可能。帯域幅を効率的に利用できるほか、利用状況に応じた契約通信帯域の追加も可能となっている。
セッション数の上限を設けないことで、大容量で快適なネットワークを構築できるほか、IIJのインターネットバックボーンは多くのSaaSとダイレクト接続を実施しているため、低遅延で快適な通信を実現する。
そのほか、SLA(サービス品質保証)を設けており、可用性、遅延時間、パケット損失率、障害通知の4項目についてサービス品質を保証する。あわせて、24時間365日の障害受付・障害切り分け・復旧作業サポートの提供も行う。
税別の初期費用は11万円(IPアドレス取得代行費用を含む)で、税別の月額費用は各学校保証帯域1Gbps(1G I/F)の場合が9万8000円から、各学校保証帯域10Gbps(10G I/F)の場合が14万8000円から(どちらもアクセス回線費用を含む)。提供エリアは北関東〜西日本エリアで、順次拡大予定となっている。
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