ラックは、同社が独自に開発した情報リテラシーを学べるカードゲーム「リテらっこ」を活用した、小中学生向け体験講座の参加募集を12月17日に開始した。
同社は、学習指導要領にある「主体的・対話的で深い学び」を情報リテラシーの啓発でも実現すべく、2023年度からゲームの要素や手法を応用するゲーミフィケーションを取り入れた講座を試行している。その中で、カードゲームが子どもたちの興味をひき、学びを深める有効な手法であることが確認されたことから、小学生から大人までが遊びつつ学べる情報リテラシーカードゲーム「リテらっこ」の開発に至った。
「リテらっこ」は、同社のICT利用環境啓発支援室が発行する「情報リテラシー啓発のための羅針盤」に準拠したカードゲームで、「情報リテラシー啓発のための羅針盤」と同様に、以下の専門家3名が監修を担当している。
- 広島大学大学院 准教授 匹田篤氏(情報教育、メディア論)
- 成城大学 教授 町村泰貴氏(民事手続法、サイバー法)
- 北陸学院大学 教授 村井万寿夫氏 (教育メディア学)
ゲームはおおむね10歳以上の児童から遊べるように作られており、遊びながらデジタル社会で必要な情報リテラシーが自然と身につく。
プレイにあたっては、啓発講座の講師がゲームマスターとなり進行役と正しい知識の提供役としてゲームをリードし、3〜6名の受講者がプレイヤーとして参加する。プレイでは、「情報リテラシー啓発のための羅針盤」に準拠したインターネットの利用で起こりうるトラブルや困りごと(インシデント)が記載された「インシデントカード」(76枚)、インシデントに対して対処するためのアクションが記載されている「アクションカード」(100枚)、発生したインシデントに対してよいアクションであると評価された時にもらえる「らっコイン」(20枚)を用いる。
ゲームマスターは、プレイヤーに5枚のアクションカードを配布し、インシデントカードは1か所にまとめて積んでおく。ゲームマスターがインシデントカードを引いて、発生したインシデントを発表したら、プレイヤーはアクションカードの中からインシデントを切り抜けるために使うカードを選んで、どのように使うかのアイデアを披露する。出されたアイデアについてチーム内で話し合い、もっともよいと思われる対応「グッドアクション」を決定し、グッドアクションとして選ばれたカードを出したプレイヤーには、らっコインが付与される。
これらの行動を数ターン繰り返して、獲得したらっコインの枚数がもっとも多いプレイヤーの勝利となる。
「リテらっこ」のプレイを通じて、インターネット利用時のトラブルが身近な問題として理解でき、万が一自身や家族・友人が巻き込まれた際の対応方法を学べる。また、プレイ中の話し合いを通じて説明力や理解力も身につけられ、自らがリスクに気づいて安全に行動する力が養われる。
今回、開始された小中学生向け体験講座への参加募集は、日本国内の小学校、中学校(原則として小学4年生以上)を対象とする。こども家庭庁や関係省庁によって例年実施されている「春のあんしんネット・新学期一斉行動」にあわせて、2025年3月31日までメールにて参加を受け付ける。体験講座の実施時間は45分〜100分で、実施人数は35名まで。
体験講座の実施にあたって、出張費用を含む費用は一切不要だが、研究活動の一環として実施の様子の写真や動画での記録、アンケートを行う場合がある。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア