電子黒板を「学びのハブ」にして双方向の授業を実現
──では、平井先生でしたら、この「大画面のChromebook」である電子黒板を使って、どのような授業をされますか?
普段、自分の端末でやっていることがすべて電子黒板上でできてしまうわけですから、「電子黒板を使っている」ということをあまり意識せずに授業をすると思いますね。
例えば、私は意見を集約するツールとして「Padlet」をよく活用しています。大きな画面でPadletを表示でき、子どもたちがインプットする上でもとても使いやすそうなので、ぜひやってみたいですね。
そのほかの例としては、あらかじめ授業の流れに従って、WebブラウザでGoogleドキュメントやGoogle Earthなどの複数のタブを開いておきます。タブをどんどん切り替えていくことで授業のテンポを崩さずに、先生も子どもたちもストレスなく進めていくことができます。
──平井先生は全国の自治体で教員向けの研修を実施されていますが、Chromebox OPS搭載の電子黒板を使ってどのような研修ができそうですか?
まずは、こうした電子黒板を使って、子どもたちのアウトプットをするところから始めます。例えば、全員の意見を集めてインプットする。次に、それらの意見もとに自分で考えて、今度はアウトプットをする。そうしたやり取りのハブとして、電子黒板が活用できるということを先生方に実感してもらいます。
一方的に先生が授業をするのではなく、授業の中で、子どもたちと先生、あるいは子どもたち同士で、行ったり来たりのやり取りをする。まずは、ここを実感してほしいですね。自分で体験してもらうと、「じゃあ、授業でこういうふうにやってみようかな」と、頭の中でイメージできるようになると思います。
また、先ほど挙げたような「タブ使ってどんどん切り替えて、テンポよく進める」といった授業での工夫も、ぜひ先生自身に考えてほしいですね。 ChromeOS搭載の電子黒板であれば、先生のGoogleアカウントの内容をそのまま表示できるので、Googleドライブなどもどんどん活用してほしいと思います。
ただ、電子黒板とChromebookを同じものとして扱えるようになったことで、使った後に必ずログアウトする習慣を身に付けなければいけないと考えています。もちろん、ChromeOSになったことで、管理コンソールが利用でき、強固なセキュリティ環境が確保されている点は強みではあります。
ですが、民間企業では離席時や業務後にログアウトすることは常識です。クラウド活用が当たり前になってきた現在、先生方にも今まで以上にセキュリティを重視する感覚を身につけてほしいですね。そして、先生のそういった姿を見せることによって、子どもたちにも「必ずログアウトする」という習慣を意識させることができると思います。
──電子黒板がハブになることによって、学校での学びが今後どのように変わっていくのか、期待されていることを教えてください。
従来の一斉教授型・知識伝達型の授業では、電子黒板の活用はただの教材提示だけで終わってしまうでしょう。先ほどお話ししたような、クラウドを活用して先生や子どもたちとのインプット・アウトプットを引き出していくためには、授業のあり方も変わらなくてはいけないと考えています。

教育DXの「X」には、今までのことをひっくり返して新しいものを生み出そうという意味があります。ハード面、ソフト面の両方からすべてをもう一度見直し、「教育とはどうあるべきなのか」を考えるところまで来ていると思います。そこまでできなければ、電子黒板の本当のよさは生かされないかもしれません。
ただ逆に言えば、ハード面のDXは、先生方の意識を変えるチャンスでもあります。電子黒板のような機器を使いこなすことを通して、先生方が今までの授業を考え直すきっかけになり、新しい学びのデザインをイメージする。そして「私たちもできる!」と思ってもらいたいですね。
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