信濃毎日新聞は、長野県内の児童生徒向けの学習支援サイト「シンマイEGG(エッグ)」のトライアル(試用)版を、9月10日にリリースした。
「シンマイEGG」はICT教育が進む小中学校で新聞をよりよく活用してもらうことを狙いとしている。県内の教員は無料で「地域ニュース」「記事データベース」「信濃毎日新聞学習シート」「新聞作りアプリ」の4つのコンテンツが体験でき、PCやタブレット上の直感的な簡単操作で各コンテンツを試用できる。2025年4月には有償の完成版をリリースする予定で、教員の働き方改善や子どもたちの学びの広がりへの貢献を図る。
トライアル版に搭載されている各コンテンツの特徴は以下の通り。
1.「地域ニュース」
信濃毎日新聞の地域面などに掲載された身近なニュースを子どもたちが読みやすいよう、ふりがなを付けて再編集している。県内を5地域に分け、各地域や市町村ごとのニュースのみの抽出も可能となる。小学生や外国にルーツを持つ中学生など、まだ漢字の読み書きが苦手な児童生徒がクラスにいても「新聞」を授業で活用できる。
2.「記事データベース」
1995年以降の信濃毎日新聞の記事全文を網羅したデータベースが使い放題。95年以前の平成初期の記事も見出し検索で紙面を閲覧できるほか、同じテーマの記事をまとめて検索できる「かんたん調べ」などの機能も搭載されている。深掘りした地域の話題から国際的なニュースまで閲覧・PDF出力が可能で、子どもたちの調べ学習のほか、教材とする記事を教員が探す用途としても活用できる。
3.「学習シート」
さまざまな記事を題材にしたワークシートが毎週配信される。これは現場の教員が作成したシートで、授業・宿題に即活用できる。
4.「新聞作りアプリ」
社会科見学などで調べた内容を新聞の形にまとめるためのツールで、記事・見出し・写真の簡単な入力作業で新聞が完成する。1つの紙面を複数人で編集できるほか、書き直しも手軽なため、子どもたちの心理的負担の軽減も期待できる。
コンテンツはいずれも子どもたちの関心を引き出しつつ、教員の働き方改善にも役立つように工夫が凝らされている。課題解決型学習や探究的な学びとの相性もよく、教材探しや授業展開の効率化にも貢献する。国語、社会、理科や総合的な学習といった通常の授業のほか、朝学習や宿題など教育現場のさまざまなシーンでの活用が想定されている。
2025年4月にリリースされる完成版では「こと映え」や「信州の仕事・会社」などのコーナーも追加される予定。「こと映え」は、ことわざや四字熟語、故事成句などの言葉と愛らしい動物の写真を組み合わせた信濃毎日新聞一面の人気コーナー。「信州の仕事・会社」は地元企業やそこで働く人を取り上げ、キャリア教育の一助となることを狙いとしている。
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