日本教育財団 東京通信大学と東日本電信電話(NTT東日本)は、教育分野における生成AIの活用・研究、および産学連携PBLを通じた現代社会で活躍できるデジタル人材の育成を目的に、両者の連携・協力に関する協定を9月4日に締結した。
両者は、同連携協定によってオンラインを中心とした高等教育における学習満足度の向上を通じて、自立して学び働き続けられる人材の育成に取り組む。東京通信大学では、NTTが開発・提供するNTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi」を、教育現場としてはじめて導入する。学生のライフスタイルや学習時間に制約を受けない通信制大学ならではの教育環境で、学生一人ひとりのニーズに寄り添った新たな学習体験を実現すべく、リアルタイムでの質疑応答環境や質の高い教育コンテンツを提供していく。
東京通信大学は、「現代社会で活躍したいすべての人へ、学びの機会を開放する」という決意のもと、2018年に開学したオンライン完結型の通信制大学。生成AIに関しては継続的に教職員の研修を行っており、生成AI利用ガイドラインを公開して積極的な活用を勧奨している。また、2024年度からはオンラインで行う少人数制のゼミ「つながるTOUゼミ」を開始して、アクティブラーニングにも注力している。それとともに、2025年度からはNTT東日本との産学連携PBLを予定しており、ビジネスベースでの課題解決力の育成を目指す。
一方で、同学ではオンデマンド授業における学習意欲の持続、および履修途中でのドロップアウトを食い止めるため、リアルタイムでの疑問解消によるスムーズな学習進行の支援が重要な課題となっている。今回の「tsuzumi」導入を通じて、現在行っている個別対応による夜間や休日の質疑応答を、「tsuzumi」が24時間リアルタイムで対応していく。学習進行上の疑問を即解消できる環境や、授業内容をより深く理解し効率的に学習可能な環境を実現することで、学生のさらなる満足度向上を目指す。
東京通信大学とNTT東日本の連携内容は以下の通り。
- 教育現場における生成AI活用に関すること
- 生成AI分野における研究内容の向上に関すること
- 産学連携PBLによるデジタル人材育成に関すること
同連携にあたって、東京通信大学は「tsuzumi」の教育分野での活用・研究と、「つながるTOUゼミ」での産学連携PBL授業の企画・実施・運営を、NTT東日本は「tsuzumi」の構築および運用と、産学連携PBLへの参画およびフィードバックを担っていく。
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