スプリックスは、同社が提供する公教育機関向けCBT(Computer Based Testing)パッケージ「SPRIX CBT」が、静岡県静岡市に一斉導入されたことを、6月27日に発表した。
同市では、デジタルドリルについて2021年度から導入に向けた実証研究を進めており、1人1台端末活用の一環として独自に導入する学校も増え、2023年5月の段階で約7割の学校が活用している。
そこで同市は、児童生徒の誰一人取り残すことのない学びの保障を行うことを目的として、学習者用端末で誰もが利用できるコンテンツの全校一斉導入の検討を開始した。検討に際して学校へのアンケートを実施した結果「学級・学年単位での設問別の誤答率などが一覧化され、教員が授業づくり(全体指導)に生かせること」「自動採点により、児童生徒自身が授業、家庭学習などにおいて自学自習できること」を望む声が多く聞かれた。また、現時点でのAIを搭載したドリルでは習熟や分析に時間を要し、教員に負担をかけるとの声もあった。
こうした点を踏まえて各コンテンツを比較したところ、簡便な機能性を有する「SPRIX CBT」が、教員のニーズや静岡市が目指す誰一人取り残すことなく子どもたちの学びを保障する目的と合致するとの判断に至った。以上により、静岡市立小中学校全校の学習者用端末および指導者用端末に「SPRIX CBT」が一斉導入された。
「SPRIX CBT」の概要は以下の通り。
1.国際基礎学力検定「TOFAS(Test of Fundamental Academic Skills)」
すべての学力の土台となる基礎学力を世界基準で評価できるテストシステムとして世界50カ国以上で実施されており、累計受験者数は500万人を超えている。教員による作問や採点は不要であるほか、児童生徒の個人成績分析表だけでなくクラスや学年単位での成績表も用意しており、経年での成績推移可視化にも対応している。
2.単元別テスト
学習塾向け教材フォレスタの制作で培った教材開発ノウハウと「TOFAS」で構築したテストシステムのプラットフォームを融合させることで、新たなCBTシステムを構築した。作問・採点作業のデジタル化により教員の業務負担軽減を実現したほか、テスト結果のデータベース化で習熟度の把握・比較を容易にし、業務効率化に貢献する。
3.「プログラミング能力検定」
「プログラミング能力検定」は、全国の教育機関で実施されている。プログラミング概念の理解度を体系的に分析・評価でき、それまでの学習成果を証明するとともに、その後の効果的な学習につなげられる。
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