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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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新製品・機能発表(AD)

教科書準拠で個別最適な学びを子どもたちにも先生にも、もっと便利に!AI型教材「Qubena」の新機能

 個別最適な学びにより、教科学習を効率的・効果的に行った上で、非認知能力を育成するため探究学習などに注力する流れが加速している。そうした中、全国の小中学校2300校以上に導入され、約100万人の子どもたちが活用するAI型教材「Qubena(キュビナ)」は、「Qubena 教科書×AI コンテンツ」を発表。子どもたちの学校での学びの軸を担う教科書と連携した本機能は、個別最適な学びをより促進するカギになると期待される。今回はQubenaを開発・提供する、株式会社COMPASSの取締役である木川俊哉氏にインタビューを実施。新コンテンツ・機能を追加した経緯や、その背景にあった先生からの要望、そして「教科書準拠×AI」で得られる効果について、詳しく伺った。

株式会社COMPASS 取締役CLO(Chief Learning Officer)木川俊哉氏
株式会社COMPASS 取締役CLO(Chief Learning Officer)木川俊哉氏

学習データを可視化し、先生を支援するQubena

──改めて、AI型教材「Qubena」とはどのような教材でしょうか。

 Qubenaは、個別最適な学習のためのAIを搭載した教材で、小学校・中学校の主要5教科に対応しています。2種類のAIが搭載されており、「理解」の効率化と、忘却ロスを最小化し、「定着」の向上にアプローチします。

 ひとつ目の「理解」のAIは、アダプティブラーニングによって学習のスピードを向上させます。子どもたちは「どこにつまずいているのか」がわからないと復習のしようがありません。そこでQubenaでは、AIが一問ごとの解答やプロセスなどを分析し、理解できていない箇所を突き止めます。そして該当部分の理解を深められるように、最適な問題をAIがコントロールして出し分けます。同じ単元でも間違うポイントは人それぞれなので、一人ひとりの間違いの傾向に個別最適化された問題が出題されます。

一人ひとりの解答を分析して問題を出し分ける「理解」のAI
一人ひとりの解答を分析して問題を出し分ける「理解」のAI

 また、AIによって現在の理解度をA・B・C・Dの4段階の「習熟度」で評価し、可視化することで、子ども自身が「ここはよくできている」「ここは苦手」といった習熟状況を理解することができます。その上で、苦手なところを復習したり、より理解を深める学習計画を立てたりすることが可能です。

 もうひとつの「定着」のAIは、知識を定着させるために最適なタイミングで最適な問題を出題します。例えば、復習を翌日にするのがよいのか、1週間後にするのがよいのかは、その人の定着度によって変わります。子どもたち自身がコントロールするのは大変なので、そこをAIがサポートするわけです。一人ひとりの忘却時期を考慮し、記憶の定着に最も適切な時期に問題が出題されるのです。

最適な問題を最適なタイミングで出題する「定着」のAI
最適な問題を最適なタイミングで出題する「定着」のAI

 定着のための「5分間復習」という機能では、そのときのその子にとって最適な問題が5分間出題されます。AIで最適化された出題によって、5分という短い時間でも効果的に知識の定着が可能です。

──先生の業務をサポートする機能としては、どのようなものがありますか。

 先生には「Qubenaマネージャー」という管理ツールを使っていただけます。子どもたち一人ひとりの学習データや問題解答時間、正答率といった細かな学習データをリアルタイムに収集して分析が可能です。子どもたちの名前と進捗状況が一覧で把握でき、間違えた問題もわかります。

Qubenaマネージャーの画面サンプル。間違えた問題はバツ印で可視化される
Qubenaマネージャーの画面サンプル。間違えた問題はバツ印で可視化される

 このQubenaマネージャーによって、子どもたちの理解度を瞬時に把握し、わかりやすい指導に生かすことができます。また、朝学習や家庭学習といった、これまではなかなか把握しづらかった学習の様子も含めて、ワンストップで把握が可能です。さらに、これらの情報を成績評価に役立てている先生もいらっしゃいます。

学力向上・学習時間短縮の効果も実証済み

──Qubenaの導入実績や事例について教えてください。Qubenaの活用によって実際に成績が向上したり、学習時間を短縮できたりした例はありますか。

 慶應義塾大学SFC研究所と連携し、Qubenaによる学習効果の検証を実施しています。2023年度は大阪府の門真市と東大阪市で実証を行い、両自治体において「Qubenaの利用頻度が高くなるほど学力が高まる傾向」を確認することができました。これはQubenaの学習データと、それぞれの自治体で実施された学力調査の結果を掛け合わせて分析し、得られた結果です。

2023年12月には大阪府東大阪市における効果検証の結果を発表
2023年12月には大阪府東大阪市における効果検証の結果を発表

 また「学習時間の短縮」も効果が出ています。過去に千代田区立麹町中学校で行った実証実験では、Qubenaを使って数学のある単元の学習を行ったところ「従来の半分の時間で学習が完了」する結果となりました。これはQubenaを活用して生徒が自分に合ったペースで自主的に学んだことによる成果です。もちろんスピードが速くなっただけで、学んだことが身についてなければ意味がありませんが、その後のテスト結果に関しても、以前より高い点数が取れていることがわかっています。

 同校では、そうして創出した時間で次の学年の勉強を始めたり、数学を実践的に活用したSTEAM教育の時間などに充てたりしています。学習時間を短縮することで生まれた時間に豊かな活動ができているよい事例です。そのほかの学校でも、同じように学習時間を短縮して、探究的な学びの時間に充てる例が増えています。

細かい表現まで検定教科書に準拠したコンテンツ

──今回「Qubena 教科書×AI コンテンツ」が追加されたのは学校現場からの声がきっかけだと伺っています。どのような要望があったのでしょうか。

 先生方に学校現場で使っていただく中で「教科書とQubenaの問題の対応関係がわかりづらい」「授業と異なる題材や用語が出てきたときに子どもたちが混乱してしまう」といった声を頂いていました。先生方の授業内での利用のハードルになるだけでなく、一つひとつの知識の入り口に立つ子どもたちにとってのハードルにもなりかねません。教科書を軸とした授業の学びとドリルの学びの連動性を高め、そうした最初のハードルをなくすことが必要であると感じていました。

── 「Qubena 教科書×AI コンテンツ」の追加によって、これまでのQubenaから何が進化したのか、どのようなシーンで特に使いやすくなるのか、具体的なイメージを教えてください。

 先ほどの課題を解決するために、今回開発したコンテンツでは、文部科学省検定済みの主要教科書に並び順・内容が準拠したものとなっています。従来、デジタルドリルの教科書準拠は「目次をそろえる」「習っていない漢字に配慮する」といった大まかな対応が一般的でした。その中で、これまでのデジタルドリルが対応しきれていなかった「教科書に登場する題材や本文まで取り入れたコンテンツ」を提供しているのが今回のQubenaの新コンテンツの大きな特徴です。

 例えば、国語や英語ではそれぞれの教科書に掲載されている作品や例文を使った問題を解くことができます。また、理科や社会では、同じ単元でも教科書によって実験の題材が異なったり、事例として取り上げる地域が異なったりと、微妙な差異があります。そういった細かい事例や表現まで、対象の教科書にそろえています。

国語の掲載作品や、理科の事例・用語などを教科書準拠に
国語の掲載作品や、理科の事例・用語などを教科書準拠に

 もちろんQubenaの強みである「AI」が、教科書準拠の問題に対してもしっかり搭載されています。単純に教科書で習った問題が出てくるのではなく、先述の「理解と定着」をサポートする仕組みによって、教科書の内容が個別最適な形で出題されます。こうした「Qubena 教科書×AI コンテンツ」の新コンテンツおよび新機能を、来春にかけて順次リリースしていきます。

中学校向けの一部コンテンツは先行してリリースされており、その他の機能も来春にリリース予定
中学校向けの一部コンテンツは先行してリリースされており、その他の機能も来春にリリース予定

 中学生向けのコンテンツとしては、単元の理解度を測れる「教科書単元確認問題」と、教科書とまったく同じ例文で学べる「教科書基本例文問題(英語)」をすでに提供開始しています。小学生向けにも教科書に準じた「教科書の練習/まとめ問題」のコンテンツを2024年4月にリリース予定です。

 また、利用教科書を問わずに学ぶことができる既存のQubenaのコンテンツも教科書準拠を進めています。来春には教科書の目次と「同じ章名」・「並び順」で学習できるようになり、より便利に使っていただけるようになります。教科書で学ぶ知識の応用力を高めるコンテンツとして、シーンやニーズに合わせて、新コンテンツとともに活用いただければと思います。

子どもたち・教員の双方が抱えていた課題を解決

──これらの新コンテンツ・新機能によって、学校現場ではどんなメリットが生まれるのでしょうか。

 教科書に対応した内容をAIによって個別最適に学べるので、子どもたちは授業の学びの理解・定着をさらに進めることができるでしょう。また、授業で扱っていない題材や用語が出てこないため混乱なく学習できる上に、授業内で理解できなかった部分をAIによって明らかにし、理解度を高めることもできます。

 さらに教科書と同じ目次でQubenaの問題が収録されることで、 先生も予習復習を促しやすくなります。これまでは、その日の授業で学んだ教科書の範囲と対応するQubenaの問題を、先生自身が対応表で確認し子どもたちに案内していました。しかし、新コンテンツ・機能では、教科書のページ数がQubena上にも表示され、目的のコンテンツを即時に探し出すことができます。先生に都度対応表を確認いただく必要がなくなり、教材研究の時間が短縮できるのです。この点は大きなポイントだと思っています。

データの連携を進め、シームレスな学習環境を目指す

──今後のQunebaの展望をお聞かせください。

 Qubenaはドリル教材として学習の一部を支えるドリルとしての位置づけだと考えています。ただ、子どもたちの学習活動の全体を見ると、教科書を使って、ドリル使って、テストをして……と、それぞれのサービスを行き来しています。教科書とテスト、ドリルが連携することで、子どもたちを中心としたシームレスなデジタル学習基盤を構築することを目指しています。

子どもたちを中心に、教科書・テスト・ドリルがシームレスに連携したデジタル学習基盤構築を目指す
子どもたちを中心に、教科書・テスト・ドリルがシームレスに連携したデジタル学習基盤構築を目指す

 例えば、デジタル教科書で学んでいる子どもが、練習するために問題を解きたいと思ったときに、ボタンをひとつ押したら対応するQubenaの問題がパッと開いて学習ができる。逆にQubenaの問題を解いていて、教科書の内容を確認したくなったらすぐにリンクでアクセスできるといった形で、学習ツールの境目を意識せずに学べる状態が理想です。これらの機能は2024年度中のリリースを目指して、鋭意開発中です。

 なおQubenaと、文部科学省が提供している国際標準規格に基づくCBTシステム「MEXCBT(メクビット)」は、すでに連携しています。テストは受けて終わりではなく、テストによって理解度や評価を認識した後に、学習にどう生かしていくかが大事だと考えています。そのため、ドリルコンテンツを持っているQubenaがテストと連携することは、学習体験の向上を後押しするはずです。

 今回の「Qubena 教科書×AI コンテンツ」の新機能によって教科書とドリル、つまりQubenaがつながれば、さらにスムーズな学習体験を実現できます。今後も三者のデータの連携を進め、デジタル学習基盤の構築に力を入れていきます。

 COMPASSでは、教科書と教材の連携をはじめとするデジタル学習基盤の今後をテーマとしたオンラインイベントを1月20日に開催します。今回紹介された「Qubena 教科書×AI コンテンツ」のより詳しい説明のほか、文部科学省やデジタル教科書の提供事業者をゲストに迎えてのパネルディスカッション、大阪府東大阪市による効果発表などを予定しています。

 詳細・申し込みについては以下のページからご確認ください。

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提供:株式会社COMPASS

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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