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さいたま市、不登校児童生徒への支援として埼玉県内で初めて「3D教育メタバース」の活用実証を開始

 東日本電信電話(以下、NTT東日本)とNTTスマートコネクトは、埼玉県さいたま市が取り組む「令和5年度 次世代の学校・教育現場を見据えた先端技術・教育データの利活用推進事業(先端技術を中核に据えた新たな学校(Super DX School)の設置・運営に関する実証事業)」において、長期欠席している児童生徒の「仲間と学びあえる新たな学び舎」の整備に向けて、NTTスマートコネクトが提供する「3D教育メタバース」が11月20日から活用されることとなった。不登校児童生徒への支援として3Dメタバースを活用する取り組みは埼玉県内で初となる。

 さいたま市教育委員会では、子どもたちに学校でも家庭でもない「第3の居場所『サードプレイス』」を提供していきたいという願いや思いを込め、2022年4月から「不登校等児童生徒支援センター(以下「Growth」)」を開設し、ICTを活用した学習支援体験活動などを通して学ぶ喜びや仲間とのつながりを実感し、コミュニケーション力を高めていくことを目指してきた。

 「Growth」の支援活動の結果、オンライン授業や個別学習等を通した知識習得だけでなく、今の在籍校が合わず長期欠席となっている児童生徒にも「オンライン上での居場所や交流の『場』を確保し、仲間と学びあう新たな学び舎の必要性」が顕在化している。

 このような背景から「Growth」では実証事業を活用し、不登校の児童生徒の新たな学び舎を確保できないか検討した。無線LAN環境の構築などで「Growth」の活動を支えてきたNTT東日本は「Growth」の教職員から相談を受け、NTTスマートコネクトと連携して「3D教育メタバース」の導入、活用シーンをコーディネートしてきた。

取り組みの概要

  1. 実施期間(予定):2023年11月20日~2024年3月31日
  2. 実施内容:仲間の存在や距離を実感できる臨場感のある3Dメタバース空間を活用し、性別や容姿を気にせず自己表現ができるアバターを通じたコミュニケーションによって協働的な学びの授業や行事などに活用していく予定。
実証の全体イメージと「3D教育メタバース」の位置づけ
実証の全体イメージと「3D教育メタバース」の位置づけ

各者の役割

  1. さいたま市
    • 「Growth」による先端技術を中核に据えた新たな学校の設置・運営を実証
    • 「3D教育メタバース」を活用した授業の実施/機会提供 など
  2. NTT東日本
    • 不登校等児童生徒の新たな学びの場(3D教育メタバース)コーディネート
    • 「3D教育メタバース」を活用した授業の企画/実践(予定)
    • インターネット環境 無線LAN環境整備 など
  3. NTTスマートコネクト
    • 「3D教育メタバース」の提供
    • 操作説明などの支援 など

 実証で採用された「3D教育メタバース」は、探究学習やアクティブラーニング、他校との交流授業などで活用できるよう教室や集会所、小ルーム(面談室)、アクティブラーニングルームなど教育に特化した仮想空間を提供しており、授業や全体集会、グループワークや面談といった学校特有のさまざまなシーンでの活用が可能なサービス。

 仮想空間ならではの3Dオーディオによる臨場感のある会話や、翻訳も含めた音声の自動テキスト化と吹き出し形式での表示などの充実したコミュニケーション機能だけでなく、音声や映像などのログ保存による出席確認や児童生徒の活動状況の振り返り、テキストチャットの冒涜フィルタなど仮想空間での学び舎として適したサービスとなる。

「3D教育メタバース」の仮想空間イメージ
「3D教育メタバース」の仮想空間イメージ

「3D教育メタバース」活用案

 「3D教育メタバース」は、場所や組織を超えたつながりによる学びの実現が期待される。

1.仲間とのつながり

 臨場感のある空間での行事や仲間(アバター)と一緒に学びあう授業だけでなく、保護者会など同じ悩みを抱える保護者のつながりへの活用

2.社会とのつながり

 学校以外の組織(企業など)との交流を通じて、未来の職業観の醸成など夢を育む学びへの活用

3.地域とのつながり

 他自治体の児童生徒との交流など地域を超えてつながることで多様な人と関わり、新たな価値観への気づきや対話的な深い学びあいに活用

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https://edtechzine.jp/article/detail/10351 2023/11/21 15:10

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