EDUCOMは、文部科学省の「次世代の校務デジタル化推進実証事業」に採択されたことを、8月3日に発表した。
統合型校務支援システムの整備率は2022年時点で81.0%まで上昇し、校務効率化に大きく寄与してきた。一方で、2023年3月に実施された「GIGAスクールの下での校務の情報化の在り方の専門家会議」では、その多くがネットワーク分離によるオンプレミス型運用であり校務用端末が職員室に固定されているためクラウド時代の教育DXに適合しなくなっているとして、以下のような課題が挙げられている。
現在の校務情報化の課題(引用:文部科学省「GIGAスクール構想の下での校務DXについて」)
- 校務処理の多くが職員室に限定され、働き方に選択肢が少ない
- 紙ベースの業務が主流となっている
- 汎用のクラウドツールと統合型校務支援システムの一部機能との整理
- 教育委員会ごとにシステムが大きく異なり、人事異動の際の負担が大きい
- 校務支援システムの導入コストが高く小規模な自治体の教育委員会で導入が進んでいない
- 帳票類の標準化が道半ば
- 学習系データと校務系データとの連携が困難
- 教育行政系・福祉系データ等との連携が困難
- ほとんどの自治体で学校データを教育行政向けに可視化するインターフェイスがない
- 校務支援システムが災害対策が不十分な自前サーバで稼働しており、大規模災害により業務の継続性が損なわれる危険性が高い
このような課題の解消を目指し、文部科学省が着手したのが「次世代の校務デジタル化推進実証事業」。同実証事業の一部として、次世代の校務DXに向け校務支援システムの機能強化の実施を支援することが決定した。同実証は、各校務支援システムベンダーにおける次世代の校務支援システムへのモデルチェンジを加速させることにより、各自治体における次期システム更改の際に次世代の校務支援システムへの移行を円滑に進めることを目的としている。
文部科学省が同実証事業において取り組むべきテーマとして挙げているのは以下の5つ。
- SaaSとしての提供
- データベースの暗号化
- 多要素認証対応
- 汎用のクラウドツールとの連携機能実装
- 学校および児童生徒に関するデータを児童生徒レベル・学級レベル・学校レベル・教育委員会レベルで統合して可視化するダッシュボード機能の実装
EDUCOMでは統合型校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」において、同実証事業が提示する指針にのっとり、必要な対応を実施していく。学校支援システムの導入にとどまらず導入後の運用の定着、活用促進まで徹底したサポートを提供してきた実績と知見を生かし、同実証事業を通じてGIGAスクール構想下に対応した校務支援システムのクラウド化を促進して学校現場における校務DXに貢献する。
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