セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、18歳未満の子どもと高校3年生(18歳を含む)を対象に実施した、「こども家庭庁に関する子どもアンケート調査」の結果を、10月20日に発表した。同調査は、6月15日~7月24日の期間に行われ、1050名から有効回答を得ている。
調査結果によれば、子どもの約7割が「こども家庭庁」の発足を知らないことが明らかになった。
こども家庭庁に優先的に取り組んでほしいこととしては、いじめ防止をはじめとした学校における子どもの権利保障のほか、子育てに困難を抱える家庭(虐待、貧困など)への支援や、学びの場の提供(学習支援、フリースクールなど)といった回答が上位を占めている。
優先的に取り組んでほしい項目を挙げた理由としては、自身がじめや虐待などをうけている当事者であることや、身近な人や友人が困っているのを見聞きしたから、といった回答が寄せられた。ただし、8人に1人となる約13%が「答えたくない」と回答しており、心理的安全性が担保されていないという懸念や、意見形成支援が必要になってくる可能性もあるとしている。
身の回りの困っていることや、心配なことに対する相談相手としては、「学校の友だちが」約4割、「親やそのほかの家族」が約3割と、身近な人が多くを占めている。一方で、普段の生活では関わり合いの少ない「SNS上でつながった名前のわからない人」「ちがう学校に通っている同年代の子ども」といった回答も、それぞれ約1割みられた。
希望する相談方法を尋ねたところ、非対面でやり取りが可能な「チャット」が約4割に達しており、対面で話す「学校」は約3割となっている。「わからない・答えたくない」が2割超を占めることから、相談しやすい相手、場所が思いつかない子どもも一定数いると考えられる。
「子どもの権利」を学校で学んだという回答は半数程度に留まっており、約3割は「子どもの権利」が基本的人権であると理解していないことがわかった。
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