愛知県豊橋市は、2022年度2学期より市内の全小学校で放課後子ども教室「のびるんdeスクール」をスタートさせたことを、9月7日に発表した。
「のびるんdeスクール」は、多彩な体験活動を通して子どもたちの「好き」を見つけるきっかけとなることを目的として開始された。また、友だちや他学年の子どもたちと一緒に外部講師や地域の大人と接することで、人との関わり方や社会性を身に付ける機会にもなる。
「のびるんdeスクール」の特徴は以下の通り。
1.2022年度の2学期より豊橋市内の全小学校で実施
「のびるんdeスクール」は、文部科学省が進める「新・放課後子ども総合プラン」に基づいて豊橋市が主体となって運営する放課後子ども教室。週2~3回、平日の放課後に行われる。
2020年度より一部の小学校で始まっていたが、2022年度2学期より対象を全52小学校に拡大し、新たにスタートした。
2.スポーツ、カルチャー、アカデミーの体験活動を通して好奇心の種を育てる
「のびるんdeスクール」は、「多様な体験活動を通して、豊橋市の子どもたちに少しでも新しい学びになったり好きなことを見つけたりできるきっかけになってほしい」という想いのもと行われている。
体験活動には、主に「スポーツ」「カルチャー」「アカデミー」の3分野がある。事前に発表される日替わりの体験活動の中から、興味のあるものを自由に選んで参加することが可能。
例えば「スポーツ」では、バスケットボール、ボール運動、走り方、体幹トレーニングなどをはじめ、小学生に人気のダンスやスポーツ鬼ごっこなどもある。友だちと一緒に身体を動かす楽しさを味わえる。
「カルチャー」では、音楽や絵画などの図画工作をはじめ、普段は触れる機会の少ない三味線やミュージカルについて学ぶことができる。
「アカデミー」では、英会話やプログラミングから、話し方教室、AEDの使い方、防災についてなど、家庭ではなかなか学べない体験活動が充実している。
3.児童クラブ利用者も含め、希望する全児童が参加可能
「のびるんdeスクール」には、通常は放課後に児童クラブ(学童)を利用している子どもたちも含め、希望する全児童が参加できる。同学年の友だちと一緒に体験活動を楽しむことはもちろん、普段は接する機会の少ない他の学年の子どもたちと触れ合う機会にもなる。
4.学校の教員ではなく外部講師や指導員などが指導し、大人と触れ合う機会に
「のびるんdeスクール」の指導にあたるのは小学校の教員ではなく、「のびるんdeスクール」の主旨に賛同し、「子どもが好き」という気持ちを持つ大人。
外部講師を務めるのは各分野でのプロたちで、「スポーツ」では豊橋市を拠点とするプロバスケットボールチーム「三遠ネオフェニックス」の選手、カルチャーでは音楽教室を展開するオリエント楽器の講師、アカデミーではエフエム豊橋のパーソナリティーなど専門性の高い人材が外部講師として参加している。
子どもたちも、その道のプロである外部講師から教えてもらうことで充実した体験ができ、より学びを深めるきっかけになる。指導員やサポーターは、学生からシルバー世代まで幅広い年齢層の人が揃っているため、子どもたちも地域の大人と接する機会が増え、関わり方も学べる。
他学年の子も含めた子ども同士の交流や、さまざまな大人との触れ合いを通して、子どもたちが健やかに育ち、社会性を身に付けるという点にも重きを置いている。
5.子どもたちにとって安心・安全な小学校の施設を放課後に開放して行われる
ほかの地域でも、放課後教室が行われているところは多くあるが、放課後の小学校の施設を利用して行われるのは全国的に見ても珍しい取り組みと言える。
特に子どもたちが慣れ親しみ、安心・安全に過ごせる場所である小学校で行うことのメリットは大きく、子どもたちが学校外に移動する必要がないため交通事故なども防げる。授業が終わり次第安全かつ時間の面でも無駄がなく、スムーズに「のびるんdeスクール」に参加することができる。
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