山口県山陽小野田市教育委員会は、市内の全公立小中学校(小学校12校、中学校7校)に、英語学習アプリケーションの開発・運営を行うジョイズの教育機関向け英語学習クラウド「TerraTalk(テラトーク)」を導入したことを、8月4日に発表した。
「TerraTalk」は、独自開発の発音・発話解析エンジンを軸に、対話形式、音読形式のエクササイズを提供することで、学校現場で不足しがちな発話量を補うと同時に発音矯正を行えるサービス。また、付属のLMS(Learning Management System)を活用して、生徒の英語力を定量的に可視化する。これにより、個別最適化された学習の実現に向けて、指導の優先順位付けや生徒ごとの教材難易度を調整できる。
同市では、持続可能な地域社会を構築し、質の高い行政サービスを持続させるためにはデジタル技術の活用が欠かせないと考え、令和3年度にデジタル推進室を設置するなど、市をあげてデジタル化に取り組んでいる。
GIGAスクール構想の実現においては、2021年2月に市内の小中学校に高速通信環境を整備するとともに、1人1台の情報端末を配備。「個別最適な学び」と「協働的な学び」を目指し、ICTを積極的に利用した授業改善や、基礎学力の定着と学習意欲の向上を図るため、朝の帯取り学習である「モジュール学習」でもICTツールを活用している。
外国語(英語)においては、新学習指導要領が全面実施され、「聞く」「読む」「話す(やり取り)」「話す(発表)」「書く」といった技能をバランスよく育成し、実際に活用する言語活動を充実させることが求められている。
同市では、これまでもネイティブの指導助手(ALT)を複数配置するとともに、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を進めてきた。
これらの取り組みに加えて、従来からの課題である「話す」力を育てるためには、学習者がアウトプットする機会を増やすとともに、学習者自身が自分に必要な学習を選択し自分のペースで学習していくことが必要と考え、この課題を解決する方策として、1人1台の端末を有効活用するため市内の全小中学校に「TerraTalk」を導入した。
活用が先行する学級では、授業時間の40%を「TerraTalk」を使った学習に置き換えることに成功。従来の授業における「教師が一方的に説明する時間」を最小限に抑え、能動的かつ対話的な学習を実現している。また、先述の「モジュール学習」においても、「TerraTalk」を使った単語学習を実施。自動採点・フィードバック機能を活用し、語彙力向上とともに、自己調整力の育成を行っている。
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