博報堂教育財団の調査研究機関であるこども研究所は、2019年から実施している「子どもの体験と認識に関する年次定点調査」の、2019年~2021年における調査結果を6月27日に発表した。2021年の同調査は、小学4年生~中学3年生の男女1200名に対して、2021年10月29日~11月22日の期間に行われている。
調査結果によれば、「これまでに体験したこと」において、スコア(体験率)がこの2年で有意に変化した20項目のうち、14項目がスコアの減少となった。とりわけ、家庭や学校以外でのオフライン/対面型の体験項目の減少が目立つ。
「好きな体験」「大切な体験」(どちらも体験者ベース)も軒並み減少し、体験率が下がるとともに好き率・大切率が減少している。
「ふだん接している人」において、スコア(接触率)がこの2年で有意に変化した12項目のうち、11項目のスコアが減少し、人との接触が減っていることが明らかになった。とりわけ「同じ学校の下級生/上級生」といった「異年齢の子ども」や、家庭や学校以外で接する「その他の親せき」「学校外のコーチ・先生」といった「第三の大人」との接触が減っている。
接触率が下がった「学校外のコーチ・先生」は、好き率(接触したなかで好きな人)、あこがれ/尊敬率(接触したなかであこがれ/尊敬する人)も減少したほか、「親せき」「同じ学校の上級生」も好き率が減少した。
一方で、「父母」に対するあこがれ/尊敬率は2020年から2021年で有意に増加している。
普段使っている情報機器を尋ねた質問では、2年間で「スマホ」「タブレット」といったデジタル機器の使用率が軒並み増加した。
「情報機器でみているもの」としては、「テレビでユーチューブなどの動画サービスをみる」といった動画視聴サービスの利用が増加している。
家庭や学校でデジタル/ネット利用が進むなかで、「ネット上の生活」に対するポジティブな意識は、この2年で増加した。
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア