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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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高度人材育成事例(プログラミング教育)(AD)

高校生もプロから直接指導を受けられる! 1年続くセキュリティハッカソン「SecHack365」の魅力

技術や知識だけでなく、アウトプットの力も伸びた

──SecHack365では、具体的にどのような研究・開発に取り組まれたのですか。また、そこから得られた知識や経験について教えてください。

藤原:SecHack365はコースがいくつかに分かれており、私は複数のコースへ参加していました。「学習駆動コース」ではチームで感情を持ったロボット「HERRO Robo」の開発に参加し、「開発駆動コース」では暗号通貨サービスとQRコードを活用した「署名システム」を個人で提案しました。署名システムについては2019年度の優秀作品にも選んでいただけました。

 2泊3日の合宿を全国各地で複数回行いながら開発していったのですが、自分が作ったものを持ち寄って発表し、それに対してフィードバックをもらうだけでなく、決められた時間外でもみんなロビーに出てきて議論したり開発したり、ものすごい熱量で朝まで盛り上がるという、ある種の独特な雰囲気がありました。

開発合宿では熱い議論が交わされた
開発合宿では熱い議論が交わされた

 受講生は年齢も経歴もバラバラで、大学生や社会人の方も多く、進路についてもお話を伺えました。一方で、プロジェクトでは対等な仲間として一緒に取り組みました。また、トレーナーの仲山昌宏さんは、ネットワークやクラウドを専門にされているプロのエンジニアで、どのようなテーマでも技術や表現に関するフィードバックを頂き、試行錯誤しながらよりよいものを作るコツ、考え方などを教えてくださりました。

 アウトプットの機会も多く、プレゼンテーションやポスターセッションなど手法もさまざまでした。その中で、前提知識の習得はもちろん、システムや技術のアピールポイントなど、伝えたいことを伝える「粒度」の勘所などもつかめたように感じます。仲山トレーナーとは、取り組んでいるときこそトレーナーと受講生の関係でしたが、SecHack365の修了後は、ソフトウェアエンジニアとして対等に接していただけるようになり、それもまたうれしかったですね。

玉田:私は「表現駆動コース」で、家の中でのなくしものを防止する「TsukushiSpeaker」というツールと、人と人との距離を縮めるテキストチャット「Approachat」を開発し、その中でさまざまなセキュリティの知識や技術を習得していきました。

 まず、みんなでブレストや短期間のハッカソンを行いアイデア出しをして、そこからピックアップしたアイデアを成果物として実際の形にしていきました。そうした活動を通じて、アイデアの発想法や本質的なプロトタイプの作り方、前提となっていたチーム運営のあり方などについて、多くの学びが得られたと思います。

 オンラインだったので、チームビルディングの面では難しいところもありましたが、チームで協力しながら作業することについての経験値はかなり上がった気がします。受講生には年上の方だけでなく中学生もいて、異なる年代の人たちと一緒に同じ目標へ向かって努力できたことは、なかなか得難い経験だったと感じています。

オンラインでも仲間と切磋琢磨しながら開発を進めていった
オンラインでも仲間と切磋琢磨しながら開発を進めていった

──玉田さんは英語での発表にもチャレンジされたそうですね。

玉田:はい。「CyberTech Global 2021」という、世界有数のサイバーセキュリティイベントでの登壇の機会をいただきました。英語での発表は大変でしたが、がんばりました(笑)。1年の締めくくりとなる最後の大きな発表会以外にも、進捗発表などで使用する技術やコンセプトなどをほかの人に説明する機会が多く、さらにみなさんからいろいろと「ここはどうなっているの?」などと鋭く聞かれてそれに答えなければならないので、かなり発表のスキルは身についたと思います。

 例えば、自分の頭の中にある前提意識を言葉にしないまま、自分の中にある文脈で説明すると「なぜその技術を使ったのか」「なぜそうしたのか」が伝わらない。動機や背景も含めて順序立てて伝えることは、うまくなったと実感しています。

視野が広がり、進路やその後のモチベーションにも好影響をもたらす

──SecHack365への参加を経験し、進路選択などで影響を受けた部分はありますか。

玉田:進路は中学時代から機械系のロボット工学に決めていたので、結果だけ見ると影響がないように見えると思います。でもSecHack365に参加して、数学・情報系も進路として可能性があると気づくことができ、ほかの受講生には推薦でそうした学科に進んだ大学生や大学院生の方も多く、進路選択の視野が広がったのは間違いないですね。実際、現在も情報系について引き続き深く学びたいと思っていますし、今後の研究室の選択ではIoTやロボットのセキュリティなど、ハードウェアのセキュリティに関われるような分野を選びたいというモチベーションにもつながっています。

 おそらくここまで影響を受けた理由としては、1年という期間の長さも関係していると思います。短期間のハッカソンに参加したこともあるのですが、どうしてもそのとき取り組んでいるテーマをピンポイントで深掘りするので、ほかの知識を習得するのは難しいんです。SecHack365では、長期間にわたって多くの人の幅広い経験や知識に触れることができたので、全方位から刺激を受けたと感じています。

藤原:私の場合、自己紹介でも少し触れたのですが、ブロックチェーンや暗号化技術を学びたいと今の学部・学科を選んだのは、完全にSecHack365の影響ですね。もともとプログラミングが好きで、漠然と情報系の大学への進学を希望していたのですが、改めて「ブロックチェーンや暗号化技術に特化して学べる大学に行こう」と進路が明確になりました。「自分がやりたいことに進んでいこう」という気持ちは、より強くなったかもしれません。

 また、SecHack365の受講生も、仲山トレーナーをはじめとしたトレーナーの方も、そして講演に来てくださったさくらインターネットの田中社長も、みなさん真剣で、お互いに協力しながら対等であろうとされていて、その姿勢には大いに影響されました。

 そのおかげで、大学入学後も1年次から積極的に研究室へ訪問し、教授と直接話すことができています。やりたいことに貪欲になれると言うか、自分から率先して取り組む力が身につき、自信が持てました。一言でいうと、物怖じしなくなりましたね(笑)。

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学校生活との両立を実現! 先生のサポートがうれしかった

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウ マミ)

エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


森山 咲(編集部)(モリヤマ サキ)

EdTechZine編集長。好きな言葉は「愚公移山」。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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