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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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高校生もプロから直接指導を受けられる! 1年続くセキュリティハッカソン「SecHack365」の魅力

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)サイバーセキュリティ研究所 ナショナルサイバートレーニングセンターでは、若年層を対象とした、セキュリティ関連技術の研究・開発に本格的に取り組む長期プログラム「SecHack365(セックハック サンロクゴ)」を2017年度から開講している。本稿では、高校在学中に1年間にわたって参加した2人の修了生へのインタビューを通して、主に高校の先生へ向けて同プログラムの魅力をお伝えする。SecHack365は、2人の学びや進路にどのような影響を与えたのだろうか。

1年間の長期ハッカソンから「学校では得られない」経験を

 欧米に比べて遅れていると言われる、日本の「サイバーセキュリティ産業」。急速な社会のデジタル化に伴い、さらに重要性が高まる中で、自ら新たな研究・開発を担う「次世代のセキュリティイノベーター」の育成が早急に求められている。

 そうした背景のもと開講されたSecHack365は、25歳以下の学生や社会人を対象とし、応募者の中から選抜された40名ほどの受講生が、1年にわたってサイバーセキュリティに関するソフトウェア開発や研究、実験、発表を行うというハッカソン形式のプログラムだ。

 一流の研究者やプロのエンジニア、SecHack365修了生などと交流しながら、自らの手を動かして「作る→見せる→意見をもらう」を繰り返し、各テーマに基づいた作品を作り上げるという、得難い経験ができる。また、就学中の受講生に対しては交通・宿泊費が発生した場合に補助が出るなど、若者の「学びたい」意欲をサポートする体制も万全だ。

 今回は、2019年度と2020年度にそれぞれSecHack365に参加した2人の修了生、藤原出帆(いずほ)さんと玉田遍(あまね)さんにお話を伺った。

藤原出帆さん(左)、玉田遍さん(右)
藤原出帆さん(左)、玉田遍さん(右)

「セキュリティ」の知識を身につけ、さらなる強みに

──まずはお2人の自己紹介をお願いします。

玉田さん(以下敬称略):中央大学理工学部 精密機械工学科の2年生で、現在はハードウェアの基礎を学んでいます。もともと親が技術系の仕事をしており、Arduinoが身近にあるような家だったので、その影響を受けて、私も東京工業大学附属科学技術高等学校に入りました。高校ではロボットの製作に取り組み、学びをさらに深めるため大学でもロボット工学を専攻したいと考えて、今の大学・学部を選びました。

藤原さん(以下敬称略):私も同じく大学2年生で、東京電機大学システムデザイン工学部 情報システム工学科に在籍中です。もともとプログラミングが好きで情報系の学部に進学することを考えていたのですが、SecHack365に参加してブロックチェーンや暗号資産への興味が増し、その研究をしたくて現在の学部を選びました。今はまだ情報工学の基礎を学んでいるところですが、ゆくゆくは専攻したいと考えています。

──お2人とも、SecHack365に参加されたときは高校生だったと伺っています。参加のきっかけや理由をお聞かせいただけますか。

玉田:前年の2019年度にSecHack365へ参加していた高校の先輩が、学園祭でセキュリティの面白さについて話されていて、そこから興味を持ちました。当時からすでにロボット工学を学んでいきたいと考えていたのですが、そこに「セキュリティ」の知識が加われば強みになりますし、専門家の方から直接お話を聞けることは非常に魅力的だと感じました。

藤原:私は、インターネット上で知り合った友人から誘われたことがきっかけです。もともと小学生のころからパソコンに触れており、プログラミングに対するあこがれがありました。そして中学生になると中古のパソコンを自分用に購入し、マインクラフトをきっかけにプログラミングへのめり込んでいきました。その後、インターネットで同じ趣味を持つ友人たちと知り合って技術的な話をするうちに、一緒にシステムを開発するようになったんです。そのうちの一人がSecHack365を教えてくれて、一緒に申し込みました。

IT業界のプロから直接フィードバックをもらう機会も

──藤原さんは2019年度に、玉田さんは2020年度に、それぞれ1年間参加されていかがでしたか。

藤原:私が参加した2019年度はすべて対面形式での開催だったので、トレーナーや受講生のみなさんと一緒に全国各地を回りながら、研究・開発やハンズオン実習、議論や発表を経験しました。長期間、同じ時間・空間を共有することで生まれる関係性は濃密でしたし、意識の高さや熱意など、言葉以外のものも伝わる感覚がありました。また体験としても、例えばさくらインターネットの田中邦裕社長と沖縄での講演で直接お会いしてフィードバックを頂いたり、同社の北海道にあるデータセンターを実際に見学したり、普段出会えない方に会って、行けない場所に行って「すごい1年」だったなと思います。

さくらインターネットのデータセンター見学時の様子
さくらインターネットのデータセンター見学時の様子

玉田:私はオンラインでの参加だったのですが(編集部注:2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大によりオンラインで開催された)、参加に対する心理的なハードルが低いことや、スケジュールの調整がしやすく、学校の公欠を取らずに済む点はメリットだと感じました。オフラインでの開催を経験していないので比較はできないのですが、オンラインだからこそ非同期コミュニケーションの回数が増えて、フィードバックをもらいやすい面もあったのではないでしょうか。実際、チャットツールでコミュニケーションを続けたことで、トレーナーの方やほかの受講生との仲も深まりましたし、研究・開発についても特に不都合を感じませんでした。

 ただ、やはりオンラインで物足りなかったのは、藤原さんみたいに直接仲間に会ったり、普段出会えない方にお会いしたり、いろいろな場所に行ったりできなかったできなかったことでしょうか。それから、能動的に集まらないと話ができないというか、食事のときに隣になった人となんとなく話す……といった偶発的なコミュニケーションはオンラインだと生まれにくかったですね。多分、ハッカソン特有の盛り上がりや高揚感はオフラインのほうが感じられたと思います。

──そのあたりは、なかなかオフラインのようにはいかない部分ですね。

玉田:でも、トレーナーの方やほかの受講生のみなさんがいろいろと工夫されて、みんなで一緒に作業や発表をする時間や、ハッカソンとは無関係の雑談する時間などが設けられていたので、コミュニケーションやフィードバック自体は密度が高かったと思います。

技術や知識だけでなく、アウトプットの力も伸びた

──SecHack365では、具体的にどのような研究・開発に取り組まれたのですか。また、そこから得られた知識や経験について教えてください。

藤原:SecHack365はコースがいくつかに分かれており、私は複数のコースへ参加していました。「学習駆動コース」ではチームで感情を持ったロボット「HERRO Robo」の開発に参加し、「開発駆動コース」では暗号通貨サービスとQRコードを活用した「署名システム」を個人で提案しました。署名システムについては2019年度の優秀作品にも選んでいただけました。

 2泊3日の合宿を全国各地で複数回行いながら開発していったのですが、自分が作ったものを持ち寄って発表し、それに対してフィードバックをもらうだけでなく、決められた時間外でもみんなロビーに出てきて議論したり開発したり、ものすごい熱量で朝まで盛り上がるという、ある種の独特な雰囲気がありました。

開発合宿では熱い議論が交わされた
開発合宿では熱い議論が交わされた

 受講生は年齢も経歴もバラバラで、大学生や社会人の方も多く、進路についてもお話を伺えました。一方で、プロジェクトでは対等な仲間として一緒に取り組みました。また、トレーナーの仲山昌宏さんは、ネットワークやクラウドを専門にされているプロのエンジニアで、どのようなテーマでも技術や表現に関するフィードバックを頂き、試行錯誤しながらよりよいものを作るコツ、考え方などを教えてくださりました。

 アウトプットの機会も多く、プレゼンテーションやポスターセッションなど手法もさまざまでした。その中で、前提知識の習得はもちろん、システムや技術のアピールポイントなど、伝えたいことを伝える「粒度」の勘所などもつかめたように感じます。仲山トレーナーとは、取り組んでいるときこそトレーナーと受講生の関係でしたが、SecHack365の修了後は、ソフトウェアエンジニアとして対等に接していただけるようになり、それもまたうれしかったですね。

玉田:私は「表現駆動コース」で、家の中でのなくしものを防止する「TsukushiSpeaker」というツールと、人と人との距離を縮めるテキストチャット「Approachat」を開発し、その中でさまざまなセキュリティの知識や技術を習得していきました。

 まず、みんなでブレストや短期間のハッカソンを行いアイデア出しをして、そこからピックアップしたアイデアを成果物として実際の形にしていきました。そうした活動を通じて、アイデアの発想法や本質的なプロトタイプの作り方、前提となっていたチーム運営のあり方などについて、多くの学びが得られたと思います。

 オンラインだったので、チームビルディングの面では難しいところもありましたが、チームで協力しながら作業することについての経験値はかなり上がった気がします。受講生には年上の方だけでなく中学生もいて、異なる年代の人たちと一緒に同じ目標へ向かって努力できたことは、なかなか得難い経験だったと感じています。

オンラインでも仲間と切磋琢磨しながら開発を進めていった
オンラインでも仲間と切磋琢磨しながら開発を進めていった

──玉田さんは英語での発表にもチャレンジされたそうですね。

玉田:はい。「CyberTech Global 2021」という、世界有数のサイバーセキュリティイベントでの登壇の機会をいただきました。英語での発表は大変でしたが、がんばりました(笑)。1年の締めくくりとなる最後の大きな発表会以外にも、進捗発表などで使用する技術やコンセプトなどをほかの人に説明する機会が多く、さらにみなさんからいろいろと「ここはどうなっているの?」などと鋭く聞かれてそれに答えなければならないので、かなり発表のスキルは身についたと思います。

 例えば、自分の頭の中にある前提意識を言葉にしないまま、自分の中にある文脈で説明すると「なぜその技術を使ったのか」「なぜそうしたのか」が伝わらない。動機や背景も含めて順序立てて伝えることは、うまくなったと実感しています。

視野が広がり、進路やその後のモチベーションにも好影響をもたらす

──SecHack365への参加を経験し、進路選択などで影響を受けた部分はありますか。

玉田:進路は中学時代から機械系のロボット工学に決めていたので、結果だけ見ると影響がないように見えると思います。でもSecHack365に参加して、数学・情報系も進路として可能性があると気づくことができ、ほかの受講生には推薦でそうした学科に進んだ大学生や大学院生の方も多く、進路選択の視野が広がったのは間違いないですね。実際、現在も情報系について引き続き深く学びたいと思っていますし、今後の研究室の選択ではIoTやロボットのセキュリティなど、ハードウェアのセキュリティに関われるような分野を選びたいというモチベーションにもつながっています。

 おそらくここまで影響を受けた理由としては、1年という期間の長さも関係していると思います。短期間のハッカソンに参加したこともあるのですが、どうしてもそのとき取り組んでいるテーマをピンポイントで深掘りするので、ほかの知識を習得するのは難しいんです。SecHack365では、長期間にわたって多くの人の幅広い経験や知識に触れることができたので、全方位から刺激を受けたと感じています。

藤原:私の場合、自己紹介でも少し触れたのですが、ブロックチェーンや暗号化技術を学びたいと今の学部・学科を選んだのは、完全にSecHack365の影響ですね。もともとプログラミングが好きで、漠然と情報系の大学への進学を希望していたのですが、改めて「ブロックチェーンや暗号化技術に特化して学べる大学に行こう」と進路が明確になりました。「自分がやりたいことに進んでいこう」という気持ちは、より強くなったかもしれません。

 また、SecHack365の受講生も、仲山トレーナーをはじめとしたトレーナーの方も、そして講演に来てくださったさくらインターネットの田中社長も、みなさん真剣で、お互いに協力しながら対等であろうとされていて、その姿勢には大いに影響されました。

 そのおかげで、大学入学後も1年次から積極的に研究室へ訪問し、教授と直接話すことができています。やりたいことに貪欲になれると言うか、自分から率先して取り組む力が身につき、自信が持てました。一言でいうと、物怖じしなくなりましたね(笑)。

学校生活との両立を実現! 先生のサポートがうれしかった

──SecHack365は長期間のハッカソンで、お忙しい時期もあったかと思います。学校の授業と両立する際はどのようなことを心がけていましたか。

藤原:確かに2~3カ月に1回、金曜日に公欠を取り土日も合宿、日曜日の夜に帰宅し、翌朝には学校に行く……というのが1年間続いたので、なかなかハードではありました。期末考査と重なったときもあり、勉強と両立させるのも大変でした。通学時間はドキュメントを読む時間にあてたり、学校の休憩時間には発表や実装を考えていたり、SecHack365も学校も、両方とも全力で突っ走ったという感じです。

 だからこそ燃え尽きないように、あえて「何もしない日」として好きなことをする日も作っていました。一日中寝ていたり、ほかのプログラミングをしていたり。でも、学校の行事にはほぼ参加できていますし、日々の授業でも困ったことはなかったですね。

玉田:私はオンラインでの参加ということもあって、時間的にはまだ余裕があったと思います。私の場合は公欠もほとんど取ることはなかったですし、3年生ということで学校の課題も少なめでした。ただ、土日はSecHack365関連の予定で埋まることが多く、発表日ギリギリまで課題をやっていることもあったので、計画性を持って取り組む重要性を認識しました。

 実は、受験生でもある3年生ということで、参加には少し躊躇した部分もあったのですが、こうした機会はそうそうないぞと、思い切って応募しました。また高校がちょっと特殊な学校で、AO入試や指定校推薦などで進路を決める生徒も多く、ある意味「受験勉強だけに集中しなくてもよい環境」だったことも、背中を押すきっかけとなりました。結果として貴重な体験になりましたし、無事に指定校推薦で希望する大学にも入れたので、どちらも諦めないでよかったと思っています。

──当時通っていた高校の担任の先生や部活の顧問の先生など、身近な先生からのサポートやアドバイスはありましたか。

藤原:普通科の高校だったこともあり、もしかすると学校としては勉強に集中してほしいという思いもあったのかもしれません。でも、担任の先生が情報系に詳しい方で理解があり、相談したところすぐに調整してくれて、公欠もちゃんと認めてくれました。学校行事でもいろいろ配慮してくださったようで、ほとんど支障はありませんでした。

玉田:私も先生に応募を相談したら、すぐに「やってみるといいよ」と背中を押してくれました。その後も直接的なアドバイスがあったわけではありませんが、学校行事とSecHack365の作業が重なって忙しい時期に「がんばってるね」と気遣ってもらえたときはうれしかったです。高校が技術系なのと、先輩にも受講生がいて前例もあったことで、外部のハッカソンへの参加が校外活動として当たり前になっていた面もあると思います。

一生の宝物になる経験、第一歩を踏み出して!

──高校生でSecHack365に参加するにあたり、不安もあったと思います。経験者として、今まさに参加を検討している高校生と、そうした高校生の身近にいる先生へメッセージを頂けますか。

玉田:まず高校生の方には、ぜひとも参加をすすめたいですね。特に情報工学に興味があるけれど、学校生活の中で周りに相談できる人がいないという人は、絶対に応募したほうがいいと思います。

 受講生にもいろいろな人がいますが、トレーナーも大学の先生や企業の第一線で働いているエンジニアの方など本当にさまざまで、そうした人と出会って話をして、広い世界を垣間見ることにより、視野が大きく広がるのは間違いありません。ですから先生方にも、そのような生徒さんがいたらすすめてほしいですし、迷っていたら後押ししていただければと思います。

藤原:SecHack365は、ソフトウェアエンジニアや研究者として第一歩を踏み出す大きなチャンスだと思います。セキュリティというテーマは、もしかするとちょっと敷居が高いかもしれませんが、でも実際にプログラムを経験すると興味が湧きますし、そこを軸にしてAIなどの最先端の技術にも触れられます。また、そこまで難しく考えずとも「なんとなく面白そう」と思えたのなら、まずは思い切って応募してみてほしいです。きっと、新しい出会いがあるのではないでしょうか。

 実際、私も締め切りの数日前にSecHack365の存在を知って、申し込んだのはギリギリでした。熟考や検討をする時間もなく、好奇心と勢いで飛び込んだんです。その結果、普通の高校生活では経験できないことを経験できて、それは今の自分のアドバンテージにつながったと感じています。

 玉田さんも工業系の高校の生徒で、私もプログラミングの経験者で、応募には一定の知識がないと厳しいのではないかと思われるかもしれませんが、その人それぞれの知識レベルや興味関心に応じて得られるものは違います。だからこそ、その時点では情報工学にさほど詳しくなくても、強い興味関心がある人であれば、参加することで有意義な時間を過ごせますし、大きく成長できるはずです。

──お2人のお話をきっかけに「SecHack365」へ応募して、新しい世界を体験する方が出てくることを期待したいですね。そして、お2人のこれからのご活躍も楽しみにしています。本日は、ありがとうございました。

お2人の担任の先生から見たSecHack365

 玉田さん、藤原さんがSecHack365に参加していた当時の高校の先生にもお話を伺った。

玉田さんの担任の先生:東京工業大学附属科学技術高等学校 山口正勝先生

──玉田さんがSecHack365に挑戦するにあたり、どのようなサポートやアドバイスをされましたか。

 興味を持ったことや、これから必要となると考えた事柄に対して、積極的に取り組む姿勢を持っている生徒であったので、受講に際しての相談を受けたときは、「(時期的に)時間の使い方を工夫すること、加えて、自己管理をしっかりと行うこと」を伝えて背中を押してあげただけです。

──先生から見て、SecHack365参加前後で玉田さんにどのような変化がありましたか。

 在籍中におけるクラブ活動や「課題研究」という授業(アクティブラーニング)において、自作のロボットを動かすための制御プログラムを作成する機会がありましたが、受講していた「表現駆動コース」で課せられる「自ら創造力を発揮して取り組む」という経験により知識や技術が蓄えられ、実際のプログラミングに生かされているように感じました。

藤原さんの担任の先生:関西高等学校 江尻宏紀先生

──藤原さんがSecHack365に挑戦するにあたり、どのようなサポートやアドバイスをされましたか。

 SecHack365のプログラムに参加することは、貴重な課外活動の機会であり、学校活動だけではなかなか得ることが難しい知識やスキルを本人が習得することができると思い、学校側としてもしっかりバックアップしていく旨を本人に伝えました。また、SecHack365のプログラム実施日が、本校の定期考査実施日と重なっている日が一部ありましたが、本人の不利にならないように成績算出について配慮するようにしました。

──先生から見てSecHack365参加前後で藤原さんにどのような変化がありましたか。

 SecHack365に参加して、専門の知識やスキルの習得はもちろんのことですが、それ以上に他者と接する際に必要な傾聴や共感が以前よりできるようになったと私は感じました。本人のこの変化は、SecHack365内のコミュニティに参画し、そこで人間関係を構築しながら、協働して課題解決に実際に取り組んだ経験によるものだと思います。

──学校の教科「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」において、SecHack365のような長期ハッカソンの取り組みに期待することはどのようなことですか。

 学校の教科「情報Ⅰ」「情報Ⅱ」を履修し、その授業で得た興味関心や知識・スキルなどを活かして、生徒が実際に課題解決に挑戦する機会を創出するなど、教育現場と連携しながら仕組みをつくっていってもらいたいと考えています。

 特に、長期ハッカソンの取り組みでは、専門知識やスキルを持ったトレーナーの存在は大変意義があるものだと思います。

「SecHack365」2022年度受講生を募集! 応募期間は5月10日の12時まで

 2022年度はオンラインと対面を組み合わせたハイブリッド形式で開催予定です。2020年度、2021年度で得られたオンライン開催のメリットや知見は生かしつつ、実際に会うことで生まれる長期ハッカソンならではのコミュニケーションや、互いに刺激し合える環境の実現を目指します(対面形式は任意参加)。集合イベントは、比較的受講生が多く、交通の便がよい関東・関西近郊での開催を予定しています。

募集要項

  • 申込期間:4月19日(火)14時~5月10日(火)12時
  • 結果通知:5月30日(月)までに、合格者へメールにて通知
  • 応募資格:日本国内に居住する25歳以下の学生・社会人(1997年4月2日以降に生まれた方)
  • 募集人数:40名程度
  • 参加費用:受講費用・指導費用は無料。集合イベントを実施する場合、イベント参加のための交通費・宿泊費等の実費相当分は参加者負担となります(学生[※1]および収入がない方[※2]は全額補助)。

[※1]学生とは学校教育法に規定される学校に在籍する方が対象です。

[※2]収入がないことの証明が必要です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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