ベネッセコーポレーションは、東京都品川区と、同区内の公立小学校・義務教育学校11校において、子どもの読み書きの発達特性に配慮しつつICT学習を活用した実証試験を、9月2日~12月24日に実施した(一部学校では引き続き利用を継続)。
本取り組みは、対象校で通常学級を含めて読み書きに関する困りのチェックテストの一斉実施を行った上で、同社が開発している発達障害児や読み書きに困りを抱える児童向け学習アプリを、各小学校と各児童の家庭(任意)で利用するもの。
今回の実証試験では、品川区で各児童に配布されているiPadを用いながら、チェックテストによって見過ごされている読み書きにおける困りごとを抱える児童を早期に発見し、さらにそのテスト結果の特性に基づいたレッスンを提供することで、それぞれの児童の読み書きスキルの向上や学習意欲の向上、指導者の労務負荷の軽減や指導効果の実感、そしてそれによって保護者含む多くの支援者の安心を醸成することを目的としている。
参加したのは、通常級2年生児童が675名、特別支援教室1~4年生児童が163名、特別支援学級1~4年生児童が69名。チェックテストを通して把握した児童個別の状況(「典型的な読み書き障害」「漢字の書きに困難を示す」)をもとに、児童の特性に応じた学習提案を行い、それに対応したデジタル教材をiPadに配信した。
また同社は現在、自治体向けに学習アプリのモニター募集を行っている。モニターで利用するアプリは、読み書きの発達特性に合わせた児童向け学習アプリ「MARUG Land(マルグランド)」で、提供教材は小学1年生~4年生の範囲の「読み」「書き」「読解」となる。モニター期間は2022年4月1日~7月末を想定しており、対象児童は通常級、通級指導教室、特別支援学級在籍の1~3年生。アプリはGIGAスクール構想標準仕様のタブレットで動作し、Webブラウザから利用できる。応募には教育委員会より同社窓口(accessible@mail.benesse.co.jp)へ連絡する必要がある。
なお、本モニターは2023年度の有償導入を見据え、導入可否の判断をすることを前提とした募集となる(1自治体当たり1~2校を想定)。モニター数には上限が設けられているため、相談後実施できない可能性もある。
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