デジタル教材は子どもの興味関心を掘り下げやすい
続いて訪れたのが、4年生の理科の授業だ。4年生の「ものの温度と体積」の単元で、これまで実験などを通して学んだ金属や水、空気の性質についての総まとめの時間だった。
4年1組の担任である茂木勇人先生は、最初に学習の振り返りをし、3日後のテストに向けて「さらに詳しく調べてみよう」と呼びかけた。ここでも各自のPCにインストールされている「ブリタニカ・スクールエディション」を使用し、配付されたプリントに調べたことを記入していく。
茂木先生は「教科書には載っていないことがたくさん載っているので、それを見つけてみよう」と声がけしつつ「全部書いていたら時間がないので短くポイント絞って書く」「自分で大切なことを見つけて自分の言葉で書く」など、まとめるコツも児童にあわせて伝えた。
「ブリタニカ・スクールエディション」をはじめとしたデジタル教材を使うことのメリットとして、茂木先生は「興味関心を掘り下げやすいこと」を挙げる。
「関連する項目へのリンクがあるため、そこからたくさんの情報にたどり着くことができます。その上で、自分でまとめ、調べたい情報を取捨選択する学習が実現します。どの児童も集中して取り組んでいる姿が見られます」(茂木先生)
授業では、子どもたちがそれぞれ真剣な表情で画面に向かい、同教材を使って空気の性質などを調べ、配られた用紙に書き込んでいく。
茂木先生は教室内をまわって、一人ひとりの様子を確認する。「調べ方はみんなにまかせる」と伝えたため、迷っていたり作業が止まっていたりする児童には声をかけて、アドバイスを行っていた。
知りたい意欲は大切にしつつ個別指導で軌道修正
茂木先生は「ブリタニカ・スクールエディション」について、「理科や総合的な学習の時間などでよく活用しています。学年・教科別に学習マップが用意されているため、目的にたどり着きやすく、授業が組み立てやすいですね。ワークシートなどを活用することで、準備もかなり楽になりました」と話す。
総合的な学習の時間などでは、まず自分が興味あるものをインターネットで調べ、その次にデジタル教材を使って深く調べるといった授業も行っている。ただし、総合的な学習はテーマの幅が広いため、逆に何を調べたらいいのかわからなくなることもある。その場合は、何を調べていくのか教員が一緒に考えたり、範囲を限定してあげたりするといった対応を個々に合わせて行っているという。「情報選択能力を育てていくことがこれからの課題なので、この点は気をつけなくてはいけません」と茂木先生は注意点を伝えた。
では、探究学習などで児童が興味関心を広げた結果、最初のテーマから脱線してしまう場合はどのように対応すればいいのだろうか。
茂木先生は「今年の4年生は、いろいろなことを知りたい気持ちや意欲を持つ児童が多いため、その点は大事にしたい」と語る。その上で「自分で情報を選択し、今の課題につなげられる子もいるが、『いろいろな情報があっておもしろい!』で終わってしまう子もいるため、普段から児童理解をもとに、個別支援などを行っています」と、対応策を語ってくれた。
授業後、児童に話を聞いたところ「『ブリタニカ』はわからない言葉があったら、すぐ調べられる」「紙の本より、細かいところまでいろいろと載っているのがおもしろい」といった意見が挙がり、改めて子どもたちがデジタル教材を楽しんで使っていることが感じられた。
図鑑以外にも、探究学習で活用できる多彩なコンテンツを収録
「ブリタニカ・スクールエディション」は、1年生の授業で活用していた「図鑑」だけでなく、協働学習の指導案やおすすめの調べ学習マップ、ディスカッションに活用できるSDGsのテーマ集、グラフやデータ作成機能など、授業や探究学習で活用できる多彩なコンテンツが収録されている。
「先生用ガイド」には、教科別の学習の手引きや学習指導案の例も掲載されているため、デジタル教材の活用を始めたばかりでも授業を簡単に設計することができる。
今回のような調べ学習では、子どもたちは調べた項目に対して「もっと調べる」や検索機能を使い、自分の興味や知識を広げていくことが可能だ。好奇心を満たし、その先へとつなげていける体験は「自ら学ぶ力」を育むことも期待される。また、自ら問いを立ててその解決方法を探っていく探究学習においても、「ブリタニカ・スクールエディション」の豊富なコンテンツが大いに役立つ。