読書教育サービス「ヨンデミー」を運営するYondemyは、5月26日より、東京都文京区の「駒本育成室」にて、子どもの読書習慣構築を目指した実証実験を開始した。

Yondemyは、「日本中の子どもたちへ、豊かな読書体験を届ける」をミッションに掲げ、ヨンデミーを提供している。ヨンデミーは、読み聞かせ以後をサポートする「読書教育」に特化し、AIを活用して、一人ひとりの好みや読書レベルに合わせた最適な本を推薦。新しい読書体験を通じて、子どもたちの読書習慣の定着と成長をサポートしている。
一方で文京区は、日本の近代文化や教育の発祥地として豊かな文化的土壌を持ちながらも、近年では子どもたちの読書離れが課題となっており、家庭や地域における新たな読書支援のアプローチが求められていた。
このような中、Yondemyは、文京区が実施する「文京共創フィールドプロジェクトB+(ビータス)」のピッチにおいて、子どもたちに新たな読書体験を提供する先進的なビジネスアイデアとして評価され、共創パートナー企業として採択。今回の連携が実現する運びとなった。
実証実験は、駒本育成室にて、2025年5月26日〜2026年3月を目安に実施される。実施方法は次のとおり。
- ヨンデミーの利用を通じた読書体験の検証
- 育成室内に読書の時間を定常的に設置
- 子どもたちによる本の感想の共有を促進し、コミュニケーションの活性化を検証
- 定期的な読書イベントの開催
今回の実証実験では、文京区内の育成室(学童施設)において、次の取り組みが実施される。
1.育成室(学童施設)へヨンデミーを導入
タブレット端末1台を設置し、ヨンデミーをいつでも利用できるようにする。なお、導入初期は1台で開始し、今後の運用状況に応じて台数の追加を検討予定。
ヨンデミーがあらかじめ選書した本に加え、文京区の近隣図書館に所蔵されている本の中から、子ども一人ひとりの読書レベルや好みに合わせた本を推薦する。
学童施設では、そもそも蔵書数が少ないため、子どもたちにとって本の選択肢が限られ、お気に入りの1冊に出会いにくいという課題があった。今回の導入では、子どもたちが常に新鮮で「ハマる」1冊と出会えるよう、AIが好みやレベルに応じた本を選出。新たな読書体験を通じて、継続的な読書意欲の育成を目指す。

2.育成室(学童施設)内での「読書の時間」運用
育成室(学童施設)では、日々の活動スケジュールの中に「読書の時間」を設け、子どもたちが落ち着いて本と向き合える環境を整備する。日常の流れの中に読書を自然に組み込むことで、無理なく読書が習慣化されるよう支援していく。

3.子どもたち同士の読書を通じたコミュニケーション
育成室(学童)単位でグルーピングし、ヨンデミー上で読書の感想を記録・共有できる機能を活用する。クラスメートの感想を見ることができ、お互いの感想を読むことで、本を通じたコミュニケーションが生まれる。この仕組みを通じて、読書が「ひとりで楽しむもの」から「みんなで共有する体験」へと広がることで、読書に対する興味や関心の深化を図る。

4.読書イベントの開催
定期的に読書に関連したイベントを開催予定。初期段階では、Yondemyが主催となり、教育的な要素を取り入れた本にまつわるワークショップなどを開催する。さらに、本格導入後には、育成室の先生に運営を委託し、継続的なイベントを展開していく予定。
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