本記事では教育機関・教室・塾向けのSTEAM・プログラミング授業支援サービス「Springin’ Classroom」を使用しています。また、学校法人森山学園 正進幼稚園(福岡県久留米市)にご協力いただきました。
STEAM教育で伸ばす非認知能力
STEAM教育に関しては、プログラミングや探究学習を中心に、小学校から高等学校まで授業カリキュラムとして必修化されていますが、幼児教育向けには具体的に方針が定められていないのが実情です。
しかしながら、STEAM教育で成長させることができる、一般的に非認知能力と呼ばれる力は、幼児期に最も伸びる力として知られています。そこで、子どもたちが1日の生活の中で長い時間を過ごす幼稚園で実践を積み重ねている、杉田先生にお話を伺うことにします。杉田先生、お願いします!
リアルとデジタルでの「こまづくり」の実践
みなさん、はじめまして杉田です。小学校の教諭をしています。現在、長期社会体験研修員として、しくみデザインで研修をしています。普段はできない幼稚園での授業も、スプリンギンの教材開発のために行っています。そんな貴重な体験を少しでもご紹介できたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今回のテーマは「幼稚園でのSTEAM教育」です。
伝承遊びのひとつでもある「こま」をリアルとデジタルでつくります。まずは、画用紙と竹串でリアルこまづくり。そして、スプリンギンを使って、デジタルこまづくり。リアルこまと比較することで、コンピューターの良さに気づくことができます。また、デジタルだからこそできる作品の共有で、つくる楽しさをみんなで味わうことができます。非認知能力をさらに伸ばすSTEAM教育「こまづくり」の実践の様子と、スプリンギンでの手順を紹介します。
リアルこまづくりでニコニコ
下の写真は、見本でつくっていたこまを回して楽しむ子どもたちの様子と作品です。こまで遊んだ経験がほとんどなかった子どもたちは、これだけでご満悦でした。さらに、ここから自分のこまをつくるわけですから、熱中しない理由がありません。円のかたちに切った画用紙にクレパスで好きな絵や模様を描き、中心に軸になる竹串を刺して、10分ほどでオリジナルこまの完成です。子どもたちは、何度も何度も夢中になって遊んでいました。教室にはニコニコ笑顔があふれていました。
そして、下の写真のようなこまを紹介しました。かたちが円や四角ではなく、円が2つ重なったいびつなかたちのこまです。実際に回してみると、軸が中心ではないこまは、うまく回りません。ここで、どんなかたちでも、誰がやっても、きれいに回るこまをつくりたいという子どもたちの願いが生まれました。そこでコンピューターの出番です。スプリンギンでつくってみようとなりました。
デジタルこまづくりでワクワク
画用紙や竹串を使ってリアルなこまづくりをする体験は、とても貴重なことだと思っています。「自分の描いた絵が回る」「回っているときの模様が回す前と違って見える」など、たくさんの気づきがあり、多様な面白さがあります。また、友だちと一緒に回して遊ぶことによって、人との関わりにおいても成長できるでしょう。
しかし、幼稚園児という発達段階においては、こまを上手に回すという技能が不十分で、そこにつまずき、ワクワクが膨らまないという実態もあります。「ぼくの絵、どんな風に見えるんだろう」「わたしのこま、きっときれいに回るはず」といったように、期待を胸に膨らませていた子どもたちががっかりする、なんてこともあるでしょう。
そこで、おすすめなのがスプリンギン。コンピューターの力を借りれば、どんな絵でも、どんなかたちでも、誰がやっても、きれいに回るデジタルこまをつくることができるんです。
まず、好きな絵を自由に描きます。クレパスと違って、デジタルなので描き直しも簡単です。出来上がったら、ここからちょっとしたプログラミングで、絵をこまにしていきます。最後は、みんなの作品をひとつにまとめて一斉に自動で回して楽しみました。
絵を描いてワクワク。こまにしてワクワク。一斉に回してワクワク。デジタルだからこそできるワクワクの連続。しかも、失敗がなく誰でもできるという点がすばらしいですね。