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EdTechZineオンラインセミナーは、ICTで変わりつつある教育のさまざまな課題や動向にフォーカスし、最新情報をお届けしているWebメディア「EdTechZine(エドテックジン)」が主催する読者向けイベントです。現場の最前線で活躍されているゲストの方をお招きし、日々の教育実践のヒントとなるような内容を、講演とディスカッションを通してお伝えしていきます。

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直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育

【幼児教育×STEAM教育】Springin'を使って、デジタルこまをつくろう

直感的に作品をつくれる「Springin’」でプログラミング教育 第11回

 こんにちは。しくみデザインの中村俊介です。学校の先生や指導者の方に向けて、無料のビジュアルプログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」を使ったプログラミング教育のアイデアやテーマを考える連載の11回目。今回はスプリンギンを使って、幼稚園でのSTEAM教育にチャレンジします!

 本記事では教育機関・教室・塾向けのSTEAM・プログラミング授業支援サービス「Springin’ Classroom」を使用しています。また、学校法人森山学園 正進幼稚園(福岡県久留米市)にご協力いただきました。

STEAM教育で伸ばす非認知能力

 STEAM教育に関しては、プログラミングや探究学習を中心に、小学校から高等学校まで授業カリキュラムとして必修化されていますが、幼児教育向けには具体的に方針が定められていないのが実情です。

 しかしながら、STEAM教育で成長させることができる、一般的に非認知能力と呼ばれる力は、幼児期に最も伸びる力として知られています。そこで、子どもたちが1日の生活の中で長い時間を過ごす幼稚園で実践を積み重ねている、杉田先生にお話を伺うことにします。杉田先生、お願いします!

リアルとデジタルでの「こまづくり」の実践

 みなさん、はじめまして杉田です。小学校の教諭をしています。現在、長期社会体験研修員として、しくみデザインで研修をしています。普段はできない幼稚園での授業も、スプリンギンの教材開発のために行っています。そんな貴重な体験を少しでもご紹介できたらと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今回のテーマは「幼稚園でのSTEAM教育」です。

 伝承遊びのひとつでもある「こま」をリアルとデジタルでつくります。まずは、画用紙と竹串でリアルこまづくり。そして、スプリンギンを使って、デジタルこまづくり。リアルこまと比較することで、コンピューターの良さに気づくことができます。また、デジタルだからこそできる作品の共有で、つくる楽しさをみんなで味わうことができます。非認知能力をさらに伸ばすSTEAM教育「こまづくり」の実践の様子と、スプリンギンでの手順を紹介します。

リアルこまづくりでニコニコ

 下の写真は、見本でつくっていたこまを回して楽しむ子どもたちの様子と作品です。こまで遊んだ経験がほとんどなかった子どもたちは、これだけでご満悦でした。さらに、ここから自分のこまをつくるわけですから、熱中しない理由がありません。円のかたちに切った画用紙にクレパスで好きな絵や模様を描き、中心に軸になる竹串を刺して、10分ほどでオリジナルこまの完成です。子どもたちは、何度も何度も夢中になって遊んでいました。教室にはニコニコ笑顔があふれていました。

オリジナルこまで遊んでいる様子
オリジナルこまで遊んでいる様子

 そして、下の写真のようなこまを紹介しました。かたちが円や四角ではなく、円が2つ重なったいびつなかたちのこまです。実際に回してみると、軸が中心ではないこまは、うまく回りません。ここで、どんなかたちでも、誰がやっても、きれいに回るこまをつくりたいという子どもたちの願いが生まれました。そこでコンピューターの出番です。スプリンギンでつくってみようとなりました。

コンピューターでユニークなかたちのこまをつくる
コンピューターでユニークなかたちのこまをつくる

デジタルこまづくりでワクワク

 画用紙や竹串を使ってリアルなこまづくりをする体験は、とても貴重なことだと思っています。「自分の描いた絵が回る」「回っているときの模様が回す前と違って見える」など、たくさんの気づきがあり、多様な面白さがあります。また、友だちと一緒に回して遊ぶことによって、人との関わりにおいても成長できるでしょう。

 しかし、幼稚園児という発達段階においては、こまを上手に回すという技能が不十分で、そこにつまずき、ワクワクが膨らまないという実態もあります。「ぼくの絵、どんな風に見えるんだろう」「わたしのこま、きっときれいに回るはず」といったように、期待を胸に膨らませていた子どもたちががっかりする、なんてこともあるでしょう。

 そこで、おすすめなのがスプリンギン。コンピューターの力を借りれば、どんな絵でも、どんなかたちでも、誰がやっても、きれいに回るデジタルこまをつくることができるんです。

 まず、好きな絵を自由に描きます。クレパスと違って、デジタルなので描き直しも簡単です。出来上がったら、ここからちょっとしたプログラミングで、絵をこまにしていきます。最後は、みんなの作品をひとつにまとめて一斉に自動で回して楽しみました。

 絵を描いてワクワク。こまにしてワクワク。一斉に回してワクワク。デジタルだからこそできるワクワクの連続。しかも、失敗がなく誰でもできるという点がすばらしいですね。

デジタルこまづくりの様子
デジタルこまづくりの様子

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スプリンギンでこまづくり

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この記事の著者

中村 俊介(株式会社しくみデザイン 代表)(ナカムラ シュンスケ)

 株式会社しくみデザイン代表、クリエイティブ教育ラボ所長。  名古屋大学建築学科卒業後、九州芸術工科大学(現九州大学)にて博士号(芸術工学)を取得。AR楽器アプリKAGURAをはじめ、参加型サイネージや、ライブコンサートのリアルタイム映像演出等、数々の日本初を手がけており、アメリカ、スペイン、中国...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


杉田 直育(スギタ ナオヤス)

 小学校教諭(指導教諭)。2021年4月から長期社会体験研修員として株式会社しくみデザインで勤務。Springin’を使ったプログラミング教育やSTEAM教育の普及活動を幼稚園や小学校を中心に実践中。「コンピューターと仲良しになる」これをスローガンに日々精進。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です


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