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自作教材をオンライン授業でも活用――登校再開後の学びも活性化できた!

学校現場の疑問や課題を解決! 第3回

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 本連載では、教員コミュニティMIEE Talks@Admin.に所属されている先生方に、学校現場の課題や疑問を解決するヒントを解説いただきます。第3回は、新城市立鳳来寺小学校の鈴木英之先生による、Numbersで自作した教材をオンラインと対面の授業で活用した実践の紹介です。(編集部)

はじめに

 私はこれまでWindows PCのExcelを使って教材作りを行ってきました。作成した教材を利用することで、子どもたちの学習理解を促し、学習内容の習熟を図りたいという思いからです。Windows PCのExcelは家庭でも普及している環境であり、教材を利用したいという家庭については、学校で使った教材を提供してきました。また、作成した教材をネット上で公開し、誰もが利用できるようにしています。

 GIGAスクール構想の到来により、本年度より本校でも、子ども1人に1台の端末(iPad)が貸与されました。オンライン学習にも対応できるようZoomやミライシードを始め、さまざまなアプリが導入されましたが、Excelは導入されませんでした。

 そこで、これまでExcelで作成してきた教材をiPad版Numbersで利用できるよう移行を進めてきました。

Windows PCのExcelで作成した教材をiPadで使えるように移行
Windows PCのExcelで作成した教材をiPadで使えるように移行

Excelの教材をiPadのNumbersで利用するための手順

 まず、Windows PC上のExcel教材をiCloud経由でiPadに取り込むと、NumbersからExcelファイルを開くことができます。「表示が変わるかもしれない」「フォントが見つからない」といった警告が出ますが、iPadで利用できるフォントを指定すれば書式が崩れることはほとんどありません。

 関数については、そのまま移行できるものも多いようですが、改めて入力し直す必要があるものもあります。書式については、条件付き書式以外は、ほぼそのまま移行できました。関数については、Excelと同じものが多く、大きな問題はありません。セルの相対参照、絶対参照の指定についてはExcelと操作の仕方が違います。条件付き書式については、Excelほど自由度はありません。修正可能なものについて移行します。また、マクロは利用できません。こうした制限を理解した上で教材の移行を行っていきます。当然、移行できない教材もありました。

 今回は、小学3年生算数「あまりのあるわり算」の実践について紹介します。

2学期スタート、次の日からオンライン学習

 この夏休みの間に、自作した教材を子どもたちがiPadで使えるよう、ネット上に「Numbers納戸」というホームページを作成しました。

 2学期が始まるタイミングで、市内における新型コロナウイルス感染症の感染者が増えてきたため、本校も始業式の次の日からは、家庭でのオンライン学習となりました。

 1学期中に、Zoomやミライシードなどの使い方については習得しているものの、家庭と学校を結んでのオンライン学習は初めての経験です。こちらの心配をものともせず、デジタルネイティブ世代の子どもたちは学習を進めていきます。

 「あまりのあるわり算」の学習に先立ち、1学期に学習した「わり算」をフラッシュカードで復習しました。これはExcelで作成した教材です。式と答えを交互にExcelが読み上げ、自動的にカードを切り替えていきます。それを大型ディスプレイに映し、Zoomで子どもたちに送ります。

教室の大型ディスプレイに映し出し、Zoomで映像を送る
教室の大型ディスプレイに映し出し、Zoomで映像を送る

 子どもたちは、それぞれの家庭で回答し、その様子をZoomで送ってきます。ギャラリービューで子どもたちの取り組みを確認しました。子どもたちのマイクは全員オンにしたので、声も聞こえてきます。私が担当するクラスは10名という少人数のため、全員の様子を把握することができました。

子どもたち全員の様子を把握できた
子どもたち全員の様子を把握できた

 家庭と教室を結んで行っているものの、教室に子どもたちが集まっているのと同じような感覚で進められました。そして、子どもたちの様子からわり算の習熟が十分でない子がいることもわかりました。

 そこで家庭でも練習してほしいと考え、Zoomを通してNumbers版教材のダウンロードの方法と、使い方を説明しました。しかし、ダウンロードができ、使い方を感得できた子は半数、利用できない子が半数でした。これもしかたがないことです。ダウンロード教材は、子どもたちの学習方法の選択幅を広げる一助です。自分に合った学習方法を見つけ、わり算を習熟することが大切です。「お父さんに問題を作ってもらって練習したよ」と、自らの取り組みを教えてくれる子もいました。フラッシュカードを使った練習を続けることで、子どもの声が次第に大きく聞こえるようになったのは、それぞれが家庭で練習している証しだと感じました。


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連載:学校現場の疑問や課題を解決!

著者プロフィール

  • 鈴木 英之(新城市立鳳来寺小学校 教諭)(スズキ ヒデユキ)

     2016年9月よりマイクロソフト認定教育イノベーター(MIE Expert)。主にExcelを活用した教材作り・活用を進めている。自作教材「Microsoft Excelで中学数学ドリルを作ろう」は、雑誌『Mr.PC』(2017年8月号)「使える無料ソフト総選挙」特集のスケジュール管理&学習部門で...

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