顧客管理などのクラウドサービスを提供しているセールスフォース・ドットコムは4月28日、教育機関向けに「Education Cloud」というCRM(顧客関係管理)プラットフォームの提供を開始することを発表した。
これまで英語圏でのみ提供されていた教育機関向け製品「Education Data Architecture(EDA)」にCRM製品群を併せて提供されるブランド名で、あらゆる規模の教育機関において、学習者と教育機関とのエンゲージメント(関わり)を一時的ではなく生涯にわたる形へ変化させるプラットフォームと位置づけている。
また、「Education Cloud」を活用したオンラインアドミッションシステム(オンライン入学者選抜システム)を、セールスフォース・ドットコムと、パートナーのユー・エス・イー、および東京大学教養学部が共同開発した。
「Education Cloud」を活用することで、教育機関の管理部門は必要なプラットフォームを柔軟かつ迅速に構築し、学生の入学前・在学中・卒業後と、各タイミングで適切な体験を生み出し、ライフサイクル全体を管理することができる。
また、「Education Cloud」の中核製品にあたる「EDA」も6月から提供を開始する。教育機関にとって必要なデータ構造の構築を簡単にする。
「Education Cloud」は2018年から米国で提供が開始されており、英語圏を中心にハーバード大学、イェール大学、スタンフォード大学などで導入実績がある。
東京大学教養学部では、「教養学部英語コースPEAK(Programs in English at KOMABA)」のアドミッション業務の効率化やユーザー体験の向上目的で、「Education Cloud」と「EDA」が採用された。
AO入試のオンライン化により、 世界各国の志願者が応募しやすく、地理的条件に縛られない入試形式が提供できるようになるとともに、関係者の煩雑な手続きを減らし、合理的なサービスを提供できるようになった。
なお、今回東京大学教養学部が導入した「Education Cloud」は、セールスフォース・ドットコムの社会貢献活動の一環として、非営利・教育機関(日本では一条校のみが対象)向けに特別に無償・割引価格にて提供されたものにあたる。
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