学研エデュケーショナルと学研教育総合研究所は、全国の年長~小学6年生11万494名を対象に実施した、新型コロナウイルス感染症拡大による臨時休校措置にともなう、子どもたちの学力状況に関する調査結果を、4月2日に発表した。同調査は、2020年10月17日~11月30日の期間に行われている。
調査結果によれば、新型コロナ禍での小学校における学習内容理解は、一部の教科で低下がみられたものの、新型コロナ禍と正答率の因果関係を確認するには至らなかった。
一方で、都道府県別では小学5年生の算数で最大15.6%の開きがあり、地域によっては新型コロナ禍の影響を受けていると考えられる。
一般受検者と学研教室会員の国語と算数の得点を散布図にしたところ、低学年から正の相関がみられるものの、学年が上がるにつれて国語と算数の得点分布に特徴的な相関が加わる。
幼児・低学年のうちはあまり差が出なかったものの、中学年では国語・算数ともに得点の分布が開き始め、高学年になるとその差がより顕著となっており、国語の点数が最低限取れない児童は、算数の得点が伸びない傾向がみられる。また、国語の点数が低く算数の点数も低い児童は、算数の文章題が理解できていないために得点できないと考えられる。
そのほか、小学4年生の国語における以下のような問題で、
2019年の正答率は53.8%だったが、誤答の「かける」「かけよる」の選択率に差はなかった。一方、2020年の正答率は52.0%で、誤答では圧倒的に「かけよる」が選ばれている。
採点を行った全国の学研教室の指導者からも「めずらしい」「『鬼滅の刃』を連想したのかも」といった声が上がっており「学力診断の実施当時に再放送が行われていた、テレビアニメ『鬼滅の刃』の内容が関係しているのでは」といった分析がされている。
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