セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、全国の大人を対象に実施した体罰などに関する意識・実態調査の結果と、子どもを対象に実施した体罰などや子どもの権利に関する調査の結果を、3月26日に発表した。
大人に対する調査では、全国の20歳以上の男女2万名に対して1月15日~19日の期間に意識調査を実施し、さらに1月22日に意識調査に参加した人のうち子どもを持つ保護者を1000名抽出して実態調査を行っている。
調査結果によれば、子どもへのしつけのための体罰を何らかの場面で容認する回答は41.3%と、前回調査から15.4ポイント減少した。一方で、5人に2人が未だに体罰を容認しており、男女別では男性、年代別では40~50代で体罰を容認する割合が高い。
1年前と比較して体罰を容認しなくなったと回答した人(2656名)に、その理由を尋ねたところ「虐待などのニュースを見聞きしたから」「体罰などが子どもに与える影響を知ったから」が多くを占めており、法による体罰禁止を理由に挙げた回答は2割弱に留まった。
子どもに対する調査は、全国の小学1年生~17歳以下の子どもに対して、2月1日~28日の期間に行われている。
調査結果によれば、体罰などに相当するいずれの行為も容認する子どもが一定数存在し、年齢が上がるにつれて容認度が高まる結果となった。また、約4割がこれまでになんらかの「体罰などを受けた経験がある」と答えている。
これらの結果を受けて、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは暴力から守られるという子どもの権利を実現すべく、以下の4点を国や地方自治体に提言した。
- 体罰等に関する調査を国レベルで、かつ継続的に実施し、子どもに対しても実施すること
- 子どもに対する体罰等を容認しない社会をつくるために、効果的な啓発活動を推進すること
- 子ども・子育て世代への支援策を拡充し、子育てに関連する公的予算を増額すること
- 子どもの権利を、大人と子ども自身へ啓発、普及し、教育していくこと
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